侍戦隊 シンケンジャー

テレビ朝日|侍戦隊シンケンジャー

戦隊物を年間通しで見ることになるのは、たぶん幼稚園か小学生以来だったと思う*1。出会いのきっかけは書店の小学生向け雑誌で見かけた「顔に字が書いてある戦隊レッド」。おいおい、今の戦隊物はここまで妙になったんか(苦笑)と思って手に取ってみると、題材が侍と来た。長い間「なんで戦隊物で侍やらないんだろうな」となんとなく思っていたこともあり、これも縁だと視聴することを決めたことを今更に思い出す。
そして、まさかここまで見事な出来とはなあ。最近の戦隊物に対する偏見が一発で吹き飛んだ(ついでに、平成仮面ライダーまで見てしまうことになったし)。まあ長年の戦隊ファンの論評を見る限り、本作は近年の戦隊物と違って「子供向け」というにはテーマがけっこうしっかりしていたと言うから、ある意味異端児だったのかもしれない。でも、その価値は十分にあったし、本来の対象ユーザーである子供達もしっかり付いてきていたのだから、素晴らしい事だったと思う*2。また、制作スタッフサイドの気合の入れようも画面からビンビンに伝わってくるのが心地よかった。OPも素晴らしい出来だったし(ノリは良いし、まさにチャンバラソングって感じなのは見事)。本当に満足して付くっているんだな、と。ラストのほろ悲しいエンディングもいかにも侍ものっぽいし、ロボ戦のあの展開は近年の熱血ロボットアニメ系の王道(パージしながらの突入>トドメ)でもあり、よい融合だったと思う。
あと風の噂では、本作の成功が「時代劇制作班」に良い影響を与えているらしい。影響…というよりライバル心かな。演出・映像・立ち回りのあちこちに、TV黎明期から作られてきた「時代劇」「チャンバラドラマ」のノウハウが採用され、それが大人のみならず子供達にも受け入れられたのだから、そりゃ本歌取りされた方も燃えるわな(苦笑)。近年の時代劇orチャンバラ劇は、時折NHKが面白い番組を出すくらいだから、ぜひ期待したい。
そして改めて。本当によい番組だった。一年間ありがとう。

*1:うろ覚えだけど。ゴレンジャーとかデンジマンとかサンバルカンだったはず

*2:初代プリキュアに「黒」という色を採用したときも「黒は大人の色だからやめるべき」という意見をあえて封殺した結果、女の子からの支持は圧倒的に黒だったという話もある。