はやぶさ2と政治の話

松浦さんのエントリが話題になっているらしい。
はやぶさ2にむけて:最後の障壁は身内にあり…か: 松浦晋也のL/D
要約すれば、はやぶさ2始動の最大の障壁は政権与党でも官僚でもなくJAXA内部の政治抗争である、というもの。このタイミングで出してきたので「はやぶさ帰還」から宇宙開発に興味を持った人にとってはある種「裏切り」のようにも見えるかもしれない。しかし、この問題は松浦さん自身がずいぶんと前から(それこそ旧宇宙3部門を統合してJAXAが成立したときから)指摘されていたこと。要するに、うまい具合に分野や人員が分割されていたものをムリヤリ一つに統合してしまった事による様々な軋轢は、見えていないだけで非常に大きいということ。特に「工学系」(機械・メカ研究)と「サイエンス系」(惑星、衛星研究)がまぜこぜになったはやぶさのようなミッションでは、その対立は寄り顕著になるんだろう。*1
それに対する反論は松浦さん自身が当該エントリで述べているほか、同じく宇宙開発(というか惑星研究かな?サイエンス系みたいだし)に携わっているらしい方のブログでも指摘されている。
tDiaryが挙動不審 – 有人宇宙港をめぐる冒険
tDiaryが挙動不審 – 有人宇宙港をめぐる冒険
特に後者のエントリは、今回松浦さんが暴露した謎メール(怪文書…の類かは不明)に対応した内容になっているみたいだ。6/11エントリと言うことは、このメールはそれ以前に出回っていたということになる。
まあ、社会人なら「世の中、そんなに綺麗には回らない」ことは骨身に染みて理解していることだ。そして、問題はそれをどう乗り越えるのか、にかかることも同じく染みているはずだ。しっかり考えて、しっかり結論を出して欲しい。
国民の目は「日本の唯一無二のお家芸=技術系」という事実を本当に久しぶりに実感したはずなのだから。そして、少し乗り遅れればあっという間に後進国(大国含む)に追いつかれてしまうことも知ってしまった。「しっかり、素早く、慎重に」結論を出してくれ。

*1:もっとも、日本の宇宙開発は予算が極めて少ないので、このような相乗りミッションは当たり前とも言えるけど。