アイドルマスター2騒動（あるいは9.18事件）
仕事でバタバタしてアイマスを考えるヒマがなかったせいなのか、ずいぶん頭の整理が付いた。
結局、自分が怒っていたのは「キャラの行為」でも「男キャラの参入」でも「AKB商法」でもなかった。それは、
キャラロールやファンコミュを言い訳にし、声優人気を盾にしてずっと隠れ、嵐が過ぎるまで身を隠そうとしている制作チームそのものへの怒り
が正しかった。たとえよりネガディブな答えであろうとも、制作陣が「自分の声で、自分の責任において、アイマスをどうしたいのか」ということをその口で語って欲しかったというのが自分の怒りだった。「これからのアイマスはこうなる。この件についてのあらゆる責任は自分にあり、その批判はすべて自分の責任で受け止める。」と制作チームやらトップの人が文面であろうが肉声であろうが明言していたら、怒りはするけどそう長くはなかったろうし、踏ん切りだって付けられる。言ってみれば、「製造物に対する責任」という奴だ。
だって、キャラを動かすのも物語を作るのも彼等の領分だもの。夢も希望もない言い方になるけど、アイマスも所詮はゲーム。それはラブプラス等と同じで、キャラの行動や性格や台詞はキャラが勝手に考えるのではなくすべて制作陣が考えているものだ。だから「このキャラならこうしたから、そうしただけ（僕が決めた訳じゃない）」というのはすべてが自己完結できる『小説』ならともかく、異様に裾野が広くなったファン層を持つアイマスでは声に出すべき事じゃなかった。それを決めたのは、まさしく制作した人、そのものなのだから。おそらく、素人にも呆れられそうな程ひどい宣伝戦略やプロモーション手法も、そういう考えが根っこにあったからこその産物かもしれない。「キャラが言ったからファンは許す」「声優さんが頼んだからファンは許す」…そういう甘えがあったように思う。
とはいえ、この火の周りの早さは、アイマスという世界があまりに広くなりすぎた弊害でもある。ざっと思いつくだけでも並べてみる。
- アイドルマスター好き（アイマスというゲーム自体のファン）
- ゲーム好き（対戦ゲー、育成ゲー、ギャルゲー）
- キャラ好き（それぞれのキャラ）
- 世界観好き（舞台設定やキャラ全体の関係性）
- 中の人（声優）ファン
- ニコマス（ニコニコ動画上のアイマス二次創作MAD）ファン
- 制作会社好き（バンナムゲー好き）
- ネット/ゲームウォッチャー（事件好き）
これだけのコミュニティがあれば当然立場や見え方も変わる。ゆえに対立も多い…筈なのだが、これまでは「プロデューサー」という立場ゆえに奇跡的な平衡感覚が発生し、「鉄のような結束」を見ることが出来たのだろう。しかし、今回の公式爆弾でその関係性が積極的に壊されてしまった。となれば、あとはおのおのの立場からの応酬になっているだけだ。今は、例え良心からの発言であろうとも、対立意見はどれもうっとうしく見えてしまうはずだ。当たり前だ。拠って立つところが違ってしまったのだから。あげく、今では「公式を攻撃」するよりも、「対立意見を持つPを糾弾、改心、説伏」する方が熱心な始末。この争いが収まる頃には何が残っているのかな。
問題になっている箇所の整理（多いけど）
- 竜宮小町のプロデュースはなし（救済措置もなし）：一番批判が多いと思われる
- 男性ユニットの登場*1：ギャルゲの世界に男が出るな、気配すら出すなという意見。ただ消極的・積極的肯定意見も案外多い。さらに「中の人は悪くない」の声、多し。
- 視点の変更：「アイドル-プロデューサー」という1:1の関係性から、世界そのものを俯瞰する客観視点に移動。広く世界は見渡せるようになったが、ユーザが羽ばたかせていた想像・妄想の幅（ないしは意図的なスキ）が大幅に公式に塗りつぶされる結果に。
- オンラインの廃止：オフラインユーザにも公平に、というのが理由らしいが、箱○のオン接続率は極めて高い。また、この意見ならDLCも御法度の筈だが、それは間違いなくやるだろう。そしてそれはこの方針と矛盾する。*2
- 擬似AKB商法の導入：「団結」なのにP達にリアルマネーを遣って競わせる姿勢はいかがなものか。
- 今回の改変は「キャラロールとニコ動等のファンコミュニティのせい」と制作側が発言：ユーザと制作側の意識乖離と責任転嫁が現実化した一例
- キャラやファンや声優を盾に、自身の行動を正当化または言い逃げをした制作側の態度：社会人としてどうなのか、という意見。
- ファンの声と真逆の結論が出てきた真意が見えないこと：ファミ通の説明で十二分に納得できたのはどの程度いたか。
- 「団結」というテーマをないがしろに感じられる各種発表：何をどうすることが「団結」だったのか、という疑問。
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そしてこれらを起因とする「P間対立」の激化。本来煽るような人々ですら同情してしまう展開への発展。
