とめはねっ!(8)

とめはねっ! 鈴里高校書道部 8 (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 鈴里高校書道部 8 (ヤングサンデーコミックス)

今回は書よりもドラマを中心にした感じかな。個人的にはかなの話をもう少し続けて欲しかったけど。でも、半紙を横に向けるってのはアイデアだったのか…。身内に書道関係者がいてこういうのは良くやっているから、あんまりそういう意識はなかったなあ。
そしてついに出てきた前衛書道。コレに出会ってずいぶん経つけど、未だにこれは書ではないと思っている。というか、前衛派の人はなんで「書」にこだわるのかが分からない。いいじゃん、「書と同じ道具を使っているけど、これは書ではないです」と言ってもさ。自分にとって、そこまで割り切ったって何も不都合がないくらいの差があると思っている。それを端的に言い表せば、

書道は「書く」
前衛書道は「描く」

に集約される。これは前衛音楽とは違っている。前衛音楽も前衛書同様に「過去のお約束を破る*1」ことで成り立っているけど、それでも前衛音楽は「音楽」だった。音を鳴らして伝えるという「周囲に伝える手段」の根幹は同じだった。でも前衛書は「周囲に伝える手段=読ませる」という部分すら放棄してしまった。もはやそれは字ではなく絵だ。言ってみれば、前衛絵画作家が、戯れに書道具を使って絵を描いてみたに過ぎない。この漫画…つまり監修をしている武田双雲はどこに着地させるつもりかねえ…。

*1:音階を利用しない