Rail Wars!

今期開始第七弾。オタ酒の肴には良いかも。
原作一部既読。結論を先に言ってしまうと、ここまでひどい作品は久しぶりに見た。一応2−3話までは見てみるつもりだが、改善がなければ切る。もともと物語のテーマは好みだったので原作1巻を以前に読んだが、テーマの割にはどうにも掘り下げというか表現が薄っぺらすぎて「もったいねえ…」と思いつつ読むのをやめた。で今回アニメ化という事でスタッフがいい感じに再構成してくれるといいなあと期待していたんだが、どうにも発注先が畑違いだったのか、発注方法が適当だったのか、さらにひどくなってしまった。原作付きの作品であれば、視聴者が何を期待するのかは通常分析できるものだ。本作の場合は「鉄道」「警察もの」そしてスパイスとしての「萌え(エロ系)」だ。ところがアニメでは頭二つがスパイスになって、最後の一つがメインになってしまった。結果「学園どたばたコメディにもなりきれない、演出だけがそれなりにエロく、そこにとってつけたような鉄道トリビアが挟まれる」という意味不明な作品に仕上がったように感じる。
あえて邪推するなら予算と人材がなかったのかもしれない。鉄道は近代発祥以降の古くて深くなった趣味、しかも日常に入り込んでいるジャンルなので、それを描写しようとするとそれなりの監修は必須だ。そしてそれを描ききる人材も必要だ。ところが作品を見る限りそれを全部あきらめ、エロさと見た目だけでどうにかしようとしている。ただしこの方法なら金はかからない。キャラクターの行動が矛盾していようと常識を外れていようと、とりあえずエロを見せるだけなら演出手法だけはたくさんあるから、わざわざ監修も必要がない。つまり、人材も情報も必要がない。もちろん、徹底的にエロさを追求するならば相応の人材や技術が必要になるのだが、原作は「エロではない」ので、そこまで力を入れる理由もない。となるとあとは「淡々と受注して、お茶を濁して終了」となる。これはまさにそんなアニメのように感じる。