シンフォギアライブ2016

TVアニメ第4期&第5期制作決定!「戦姫絶唱シンフォギアGX」公式サイト
日本武道館に行くのはおそらく初めて。その一回目がいきなりアリーナときた。ただ、事前にネットで見ると、自分の席は「アリーナの中ではクソ席」に当たるらしかったので、「まあ楽しめればいいか」程度のつもりだった。が、ステージが横に長く曲メインの構成だったこともあって、「クソ席」からは程遠い場所だった。良かったよかった。
幸運にもシンフォギアライブは三回とも参加することができている。そしてこれまでの二回は「シンフォギアという作品のライブ」として最高の内容だった。一回目は本作独特の「訳の分からない熱狂カオス」がすべて。二回目は「シンフォギアのお祭り」。そのどちらも最高の思い出になっている。その流れでこの三回目の感想を言うと…正直な所「シンフォギアという作品のライブ」として考えると65点くらい…としか言いようが無い。いや、「人気声優達の合同ライブ」という見方ならばかなり良い点がつくとは思うのだが。そう、正直な所ライブが終わってもものすごく不完全燃焼だったのだ。
こういう言い方が適切かどうかはわからないが、今回のライブは「綺麗すぎた」。そして、シンフォギアという作品よりも声優さんにスポットを当てているようにも思えた。これはファン層の変化の影響もあるかもしれない。前々回・前回と比較して、純粋な「適合者」の数は明らかに減っていた(体感だと6−7割)。たとえば、今回曲の構成として第三期のみならず第一期・第二期の曲も遠慮なくぶち込んできたわけで、作品の適合者ならば大喜びする場面なのだが、三期以外の曲が始まった途端に戸惑うお客様も結構私の周囲に見受けられた。それは本作独特の「コール&レスポンス」に全く対応できていないことからも明らかだ。*1まあ、これはある程度は仕方がない。作品の知名度が上がり、歌のうまい声優さんが大挙して参加する以上はそういうこともあるだろう。ただ致命的だったのが、ステージ上のキャスト達が「適合者」という言葉自体に迷いや戸惑いがあったことだ。その瞬間「ああ、シンフォギアも普通の作品になっちまったんだなあ」と感じてしまった。
曲の構成も、キャストの辛味が少なく順番にうたって最後に皆で集まって終了というシンプルなもの。確かに過去2回に渡って微妙な空気が漂ったトークステージは疑問ではあったけど、それをすっぱり消してキャストのみにした今回を見て「あれは作品のイベントとしては大切なところだったのか」と初めて気がついてしまった。場を作ったこすぷれおじさんも司令も、大事なキャスティングだったのだ。今回それが全く無かった部分で、さらにシンフォギアらしさが”脱臭”されていたと思った。
作品は好きだし、年甲斐もなく4&5期の発表は心の底から嬉しかった。ただ、当初の制作陣と適合者を一つにした「意味不明の熱さ」がどんどんなくなっていくことに寂しさを覚えたことも改めて感じたイベントだった。

*1:終演後に「なんであいつら全部の曲のコール&レスポンスどころか一緒に歌えるんだ?」とつぶやいていた声優ファンがいたのが強く印象に残っている。