バジリスク ~桜花忍法帖~

今期終了分。本家は越えられなかった。
本家…とはいってもこちらや山田風太郎自身の原作に超絶な画力をプラスした作品だったけど、それをアレンジして同じことをしようとして…結果、中途半端な残念な出来になってしまった、としか言いようがない。
いや、結局同じことをもう一度しようとした時点でもう駄目だと思う。本歌取りをするときは、どこか本家をとびぬけてよいところを作って初めて「うーん、まあいいんじゃない?」程度の評価になるのが世の常。それがこの作品は「最初にベテランの伊賀甲賀の忍びを殺し、残った若者たちで殺し合う(?)というハードル下げを意図的にやっている」がゆえに、その時点で迫力も悲劇性も半減してしまっている。つくづく山田風太郎氏の作家としての力を思い知らされる結果になったなあと。

はねバド!

今期開始分。よし、これは当たりのガチアニメだ!
原作未読。アバンの時点で「バド民勢が語りたくなるような雰囲気」「アクションと音がしっかりしている」、本編でも嫌というほど細かくキャラを動かし、テンプレート化しているキャラの立ち姿や座り姿すら特徴を出している。専門分野的な意味での「ガチ」と、アニメ=動くものという意味での「ガチ」さがそろっている点でかなり期待できそう。OP時点で「アクションアニメーター」を三人準備していることを表明している時点で、その覚悟があることを宣言していると思いたい。アクタス使っているということはCG処理にも期待できるし、取材協力にも協会・スポーツメーカー・たぶんバドミントン強豪勢(社会人・大学・高校とそろっているのがまた・・・ただ埼玉栄は部活全般強豪のところだけど男子校だったような記憶があるけど)が入っていて気合の入り方が分かる。
いやまあ、展開としてはちょっとしたテンプレートではあるんだけどね。雰囲気の暗さと重さは、個人的には大正解。今のトレンドは「最初はお気軽に」なんだろうけど、最初から「そんなん知ったことか!」とこういうのを見せてくるのも大好物。「ガチ過ぎて怖い」とか言う軟弱勢には、その意見をねじ伏せるレベルで動きと描写を継続して欲しい。制作陣はぜひぜひ頑張ってくれ。
バドはテレビで大会しているのを見てたりした程度で、詳細は分からないのだけども、ガルパンにおける戦車ファン、ウマ娘における競馬ファンと同様に、バドミントンプレーヤーが語れるだけの内容であればうれしい。というか、そういう人たちが色々専門的に語ってくれるのを見るのが楽しいんだよなあ。頼むから失速しないでくれよー。
あ、しょっちゅう画面に映りこむ「Yonexロゴ」はもはやギャグの領域に入っている気がするんだが、どーなんだろうなw

Island

今期開始分。田村ゆかり、なのか。
原作未プレイ。良くは分からんけどゲーム原作か。正直、海軍帽+美少女というビジュアルだけで見てみたので、まさかのミステリー展開にはちょいと驚いた。そして謎アリ展開ってことは現時点では単純に視聴中止が可能か判断が出来ない。さほど驚きのない美少女ゲー程度なら見る必要はないんだろうけど、逆に美少女殺戮系ならちょっと面白そうではあるが・・・。
しかし、あのチビでぼさぼさ頭で貧乳の巫女さんキャラは、なんかどっかで見たような気がするんだよな・・・。少なくともこのゲーム(?)はやった記憶はないはずなんだけど。同じ会社の別のゲームか、それを基にしたアニメか何かでみたんだろうか・・・。調べてみようかなあ。

山賊ダイアリーSS

続きがでてよかった・・・けど、なんか猟師の頃は仲間のコミュニティーというある意味では最強のストッパーがあったけど、それが「自制心」のみになったのがワイルドというか怖いというか。行動の一つ一つに、常に危険性を考えながら行動する癖が付いていて、これがベテランの思考なんかなーと思ってみたり。
しかしこの行き当たりばったりの内容で、どこまで持つんだろうかなあ。一定のファンが付いていることを前提に、気長に編集さんとまとめていく方向性だろうか。まあ今はネット配信のみという方法もあるから、昔ほどコストとリスクを考えることなく出版社側も動けるから(作者は別)、そういう形になっていくのかな。

だがしかし(11)

だがしかし (11) (少年サンデーコミックス)

だがしかし (11) (少年サンデーコミックス)

  • 作者:コトヤマ
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: コミック
ほたるさんの黒タイツに惹かれて読み始めた本作もこれで終了。アニメ化もして一定の人気も出たし、幸せな作品だったと思う。(駄菓子メーカーの協力がないとアニメ化なんてありえない作品だったから、第一報の時は結構驚いた、うん)
コトヤマ氏の絵の面白さはその細かさ。単行本でしか読んでいないので、雑誌時の掲載サイズからしたらどうかはわからないが、服の動きから指のつま先まで細かく(ある種神経質なまでに)描きこんでいるのが氏の特徴なんだろう。絵の可愛さとは対比的な描き方は、少しだけあさりよしとおが「所々で描く」細かさに通じるものがあると思う。
できれば長い期間マンガ家として活躍してくれると嬉しい。

ガールズ&パンツァー フェイズエリカ(1-3)

才谷屋龍一氏の描くガルパンは、ガルパンでありながら明らかに「別の世界のガルパン」になっている。それがいいか悪いかは読む人によるだろうけど、個人的には大いにOKだと思う。ガルパン世界をアニメだけに閉じ込めておくなんてもったいないにもほどがある。多くのキャラ(人、戦車)が数多いてそれぞれに十分な個性をだしてくれているのだから、存分にその世界で遊ばせてもらうことこそが、ガルパンおじさんにとっても嬉しいことと個人的には思っている。
それだからこそ、ある意味ガルパン世界で一・二を争う人気サブキャラであるエリカを主人公にした本作が成立したんだと思う(というか、本編のころから散々いじられてきたからなあ・・・ハンバーグとか催眠オナニーとかどっから来たんだ。あ、ワニ好きだけは本作かw)。今後も、エリカはいろんな場面で公式・非公式を問わずいじられまくるんだろうなあ。それだけ愛されているってことなんだけども。
才谷屋氏自身はまだガルパン世界で描きたいものがある様子だし、まだまだ期待したい。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

今期終了分。作品としては中途半端、だろうか。
原作未読。キャラ描写の映像自体についてはさすがの京都アニメーションというしかない。ただ物語の構成がヴァイオレットを中心とした1.5人称という中途半端なスタンスでカメラを置いたせいで、どうにもしまりが足りなかったというのも正直なところだ。
もっと少年兵時代と郵便時代のそれを退避させて、時代の残酷さとそれを残り超える少女の活動を見せた方がよかったのではないかと思う。…というか、あの恐ろしく精巧な義手はいったいなんのオーバーテクノロジーなのか大いに気になるんだけど。それだけで一冊同人誌を描きたくなるほど興味がある。おそらく優秀退役軍人として破格の性能の義手を贈呈された、ということなんだろうけど…メンテナンスも楽ではないと思うしなあ。