塩の街

読了。一瞬濃厚だけど、後はあっさり風味。
傑作ではなかったけれども発売中の続編も読んでみようかと思わせる感じ。

最初は『世界物』かと思って読んでいたため、世界そのものへの言及や追及が少ないのが気になっていた。
が、途中で「ああ、この世界は”危機の中の恋愛”を演出するための舞台装置でしかないんだな」と気がつき、後は素直に安心して読めた。舞台装置でしかないので、恋愛劇に必要な部品が説明できればそれ以上の記述も突っ込みも必要がない。
だからその要素を除くと、おそろしくシンプルな恋愛劇だけが残る。かなり悲惨な世界であったはずなのに、妙にすっきりしているのは作者の文体のせいかもしれないけれど。

…ただ航空戦力の説明が始まったとたん、妙に詳しく描写されているのには苦笑。他のページはひらがなばっかりだったのに、ここだけ漢字とルビのオンパレード。

さて、明日からは灼眼のシャナ (電撃文庫)(第1巻)。ガイドブックを読む限り、かなりの人気作(あるいは人気作家)とのことだけど、さて。