よみがえる空第6話〜7話

演出と脚本の勝利・・・としか言いようがない。使用している技法は別に奇をてらったモノではない。情景の対比表現、細かく日常を描写することで視聴者の中で積み上げられる情報をうまく処理する構成。極々ありふれた技法を、ただひたすら丁寧に、物語の後ろからしっかりと計算して先頭を作り上げる。ただそれだけ。
前編冒頭部で使われた「ひょっこりひょうたん島」は「泣き笑い」の曲だった。見ている方も泣けばいいのか笑えばいいのか非常に困る情景だった。それが、後半の一番最後で一気に生きてくる。それもこのエピソードを通して登場人物の気持ちを代弁するかのような使い方。冒頭部の歌は「死者の歌」だった。本郷三佐の歌は「鎮魂の歌」だった。そして残る隊員の歌は「未来への歌」だった。これがまったく同じ曲で表現されていた。
また、大事故における救援活動でようやく生存者を救出することができた(小さい事故では救っていたけれど)。視聴者もずっと登場人物と共にその現実を見せつけられてきた。だから、要救助者が生きていることが分かったときの隊員の叫び。あれは視聴者の心の声でもあったはず。
本当に久しぶりに(萌えに頼らない)良いアニメがみれたことをひたすら感謝。