ホワイトカラー・エグゼンプションと労働契約法改正案

ホワイトカラー・エグゼンプションとは「自立的労働時間制」のことであり、現在政府が審議している新しい労働法。簡単に言えば、「サラリーマン自身が仕事状況に合わせて勤務時間を任意に調整できる」けど「1日8時間労働制限の消滅、一定金額以上の収入がある会社員〜一説では年収400万円以上とも〜の残業代を皆無にする」というもの。・・・そりゃ、海外では「どんなに忙しかろうと定時退社は問題ない」し、労組も極めて強力だし評価基準や個の権利が非常に重く扱われている国ならこの制度も意味を持つんでしょう。でも、今の日本で本当の意味で「サラリーマン自身が業務内容と時間を選択できる」仕事が存在するとはとてもとても。個人成果主義を推し進めた大企業も、徐々に終身雇用やグループ業務に立ち返り始めているというのに。まさに、国会議員の脳内日本*1と雇用者側の皮算用だけで作られている法律としか言えない。
「労働契約法」の改正(「正」!?)はさらに酷く、これまでは規定として明文化されていた「一定期間以上雇用したパートや労働者に対して、企業は正社員として雇用をする必要がある」という条文がごっそりと削除。これで、企業側は正規社員はごく少数のみ抱え、あとは低賃金で不要になったらいつでもクビをくれる契約社員&パート&バイトだけをやとっても問題がなくなることになる。なにやら利点を述べている所もあるけど、そういう所は学問上の「類型」的な話に終始して、現実や雇用者の本音なんてことは微塵も考えていない。後10年したら、本当に日本は終わっていて、事実上中国か韓国当たりに経済的に実行支配されてたりして。

*1:自民党議員は二言目には国民国民言うけど、それって本当に生身の日本国民のことなんかねえ。郵政造反組の復党も茶番劇以外の何者でもないし、大手企業のトップだけが儲かる経済システムに使用としているし。「公平な税負担」って何よ。