ドワンゴとクリプトンと初音ミク(1)

初音ミクJASRAC登録問題」が発端となった展開が、まさかネットを介した大空中戦に至るとは流石に想像しなかった。双方の文通表明を読むだけなら互いに非はありそうなんだけど・・・そこは数多の祭と戦場をくぐり抜けてきた2ちゃんねる集合知。野次馬だけでなく、作品を作った職人達が大挙登場して事実の発表、法曹業界人による「契約」関連の説明と疑問、音楽業界人からは「悪しき風習」としての音楽業界裏談義・・・等々、タダ眺めているだけでもあっという間に最新かつ新鮮な情報が集まる集まる(苦笑)。無論、それらは一つ一つ検証する必要はあるけど(2ちゃんねるのお約束)、様々な情報をつなげて透けて見える情報がもうエキサイティングの一言(不謹慎だけど正直な感想だ)。
さて現時点(12/21-23:40)では、腕力だけで見ればドワンゴ側が有利(ヤクザ企業とか言われているし、裏には「のま猫問題」の当事者もいるらしい。力任せの戦争なら強力)なんだけど、ネット利用者や一般のファン、そして所謂ニコ厨の大半はクリプトン側を支持していると思って良い。何故そんな現象が発生しているのかは、一定以上2ちゃんねるやネットを見て回った人なら分かると思う。通常、水面下で隠れるはずの情報がどんどん表に出てきて、ウォッチャーが冷静に判断できる材料が即時にわんさか出てきているからだ。まさにネット万歳(だからこそ、上層部の方は恐れるんだが)。もちろん、それだけじゃない。互いの姿勢が、この喧嘩を眺めている人の印象を大きく左右している。
また今回の騒動のキーワードに「音楽&芸能業界ではまかり通っていた契約関連の慣例(悪習)」があるのもポイント。ドワンゴはそれを利用し、クリプトンは知らないまま一般社会常識観念で話をした。本当は、話を持ちかけたドワンゴ側が十分すぎるくらい説明すべきだったのに、それを一切していない様子が様々な情報から出ている(職人達にすらろくに話をしていないとは・・・)。「知らない方が悪い」と強弁する手も勿論あるが、初手からそれを使うのは通常「ヤクザ」か「詐欺師」だけである。
それにしても、仮にこの騒動でドワンゴが最終勝利を得たとしても、残るのはぺんぺん草も生えない不毛の荒野だけだろう(それを見越して、ドワンゴ側はあからさまに戦争を仕掛けてきたのかもしれないけど)。あるいは、「ミクを自分の商材として略奪できないなら、いっそ殺してしまえ」ということだろうか。