"準児童ポルノ”というレッテルと署名活動というもの
児童ポルノの単純所持禁止にアニメ・マンガ・ゲームは含めるべきか否か? - GIGAZINE(←非常によくまとまっています)
2008-03-13 - オンライン漂流記
あれから、ネット署名も開始されたとのこと。おそらく関連団体に動員がかかっているはずだから結構な数が集まることだろう。そして、予想通りテレビは賛意の方向で記事を伝え(本質には誰も触れない)、ついこの前対象から除外となったアニメ・漫画・ゲームについて、舌の根が乾く気配さえ見せず再燃の方向と首相が発言。ニュースでもここ一週間は児童への性犯罪系記事が急速に増加している印象すら受ける。・・・なんかもうね、すべての行動があからさますぎる。
「一見正しく間違いのないように聞こえる内容を、対象が冷静に思考・分析を始める前に丸め込んで仲間にしてしまう。そして数を増やすことで、法国家としての根源すら揺るがすような行為すら、盲目的/狂信的な正義感で意図的に無視して実現させる」
・・・てさ、太平洋戦争直前の日本と同じなんだよな。人権擁護法案もそうなんだけど、治安維持法だって最初はもうちょっとマシな話だったと思う。が、実際に運用されると思想弾圧&過剰捜査の錦の御旗に化けた。今回の日本ユニセフ協会(というユニセフとは無関係な宗教/思想系団体)*1の実現従っている事もコレに近い。「気持ち悪いから、逮捕してよい法案」なんてのは、子供の頃には冗談で終わっていた馬鹿話だったが、それを嬉々として採用させようとしている彼らもそうだが、それを「キモイから」という理由で賛成している日本国民というのも、正直ひどい状態だ。昨今の日本の国力が下がる一方というけど、「気持ちよすぎることは怪しいこと」「しっかり冷静に考える」という「詐欺被害に遭わないための基本」すら、これだけ声高に叫んでも分かっていないということなんだから。
- アニメ・漫画・ゲームと児童の性犯罪の因果関係が明示された資料はない
- 「児童ポルノ氾濫の一つが日本にある」というのは、数値統計上の詭弁
- 論拠の一つとしている某教授の論も、「実在している子供達」の話しかしていない
- 「日本では児童=18歳以下である事実を知らない人が想像以上に多い」ことをうまく利用
- 曖昧すぎる基準での運用の恐ろしさを、気持ちよすぎる言葉でごまかしている事実
- 同様の状況になっている国がどれほどあり、そのような国ではどのようなことになっているのかを知らせていない
- 日本より児童保護関連法律が厳しい国はいくらでもある。では、その国は日本と比較にならないほど対児童性犯罪理発生率は低いのか?
そして、ことは児童ポルノだけに収まっていない法律であり、これが通ると恐るべき「前例主義」の第一歩になってしまう可能性が高いこと。
- 思想、感情、嗜好、感覚そのものに対して"犯罪性と違法性が問える"ということの恐ろしさ
- 「人権擁護法案」「単純所持の禁止」そしてこれを組み合わせたときの恐ろしさは、共産/全体主義下の社会をカジュアルに実現させるということ
- ドイツ神学者「マルティン・ニーメラー」の警告は届かないのか(マルティン・ニーメラーの告白|あさみの想い綴り)
にしても、この手の動きがあるたびに思うんだけど、一番影響を被る出版業界が完全沈黙or無視を決め込むことが最も理解できない。なんで?ねえ、なんでなの??
- (3/16追加)2008-03-15 - でもやっぱりバカが好き!にて、反対要望書を作成されている人がいました。応援したいです。
- (3/16追加)で、調べてみたら「児童ポルノ法」での議員へのお手紙の書き方 - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記にて、議員の方への文章の書き方講座が。
*1:どうも、単純に切り分けられる問題でもないことが分かってきたので、一端削除。