都条例青少年健全育成法案、否決

…良かった。本当に良かった。ただ、次の戦いはもう始まっているし、これはずっと終わらない。だから油断だけはしちゃいけない。この瞬間でも都だけでなく大坂・京都・宮城をはじめとして、日本のあちこちで「児童」「青少年」をダシに使って権力や癒着を拡充しようとしている連中が動いているのだから。
自公や都知事は「数の暴力で都民を馬鹿にしている」「児童ポルノを容認している」という非難声明を出したようだが…その言葉をそのまま彼等に返したい。ただの権力取りでこんな条例に参加するもんか。どんな悪法でアレ、「児童ポルノ」「青少年健全育成」という旗が付いてしまった案件に対して反対することに、政治家がどれほど苦しく対応しにくい物なのかというのは、この数ヶ月で嫌と言うほど知った。
同時に、「児童ポルノ」「青少年健全育成」という錦の御旗を立ててからやろうとしていたことが、以下のような状態であることもはっきりとわかった。

  • その御旗の元でやろうとしているのが『思想統制/思想差別/メディア規制/ネット&携帯規制/表現規制/親権規制』という警察国家全体主義国家も各屋というほどの純潔教育主義。
  • 国の児ポ法改定論議中で結論が出ていない(ましてや3号ポルノは議論がまったく進んでいない)にもかかわらず、創作物の存在を堂々と「違法」として宣伝。かなりショックだった。
  • ニュースでは成人向け漫画ばかりクローズアップされていたが、この法案にはこれだけの規制項目が含まれていたという事実。それを規制派は表に出さずに宣伝を続けた恐怖。そして、それら法案は「実際に被害に遭っている児童を救うプログラム」に触れられていません。
  • よく「海外からの要請」「日本はポルノ犯罪大国」というメッセージを投げつける方がいますが、「海外からの要請」は規制推進団体が海外に行って他国政治家や集会で発言させている「マッチポンプ」であることがはっきりしています(日本ユニセフECPAT)。また、G8諸国やその他の国で「規制が強化されている国々」よりも圧倒的に性犯罪被害者が少ない日本、という資料は一切見ようとしていません。
  • 区分陳列やシール封印処理はずいぶん前から自主規制の形で実施中。それを知らないどころか意図的に(自分たちにとって)不利な情報を無視をしたため、出版業界団体と都庁との間に決定的な意識の断絶が発生してしまっている。
  • この法案の検討・成り立ち・提出・論戦中の様々な関係者の動きが、「民主的プロセス」とは完全にかけ離れていたという事実。「児童や青少年を救いたい」はずの立案者の口から「この法案の反対者は精神疾患患者とするべき」というような差別発言が何度も繰り返されていたことも議事録に。しかし、それを開示請求すると「スミヌリ」で開示されるという事態。

これだけのひどい対応を平然と執り行おうとする勢力が、案外簡単に大勢いると言うことも骨身に染みて良く分かった。
この件に気がついたのは2月の下旬。それから今日までずっと気に留めて、できるだけ集会にも参加して色々自分なりに条例を勉強したり、話し合ったりして、自分の中で政治という物を強く感じた時間だった。
近日中に、今回の顛末で学んだり思ったりしたことをまとめる予定。そして、それを次に繋げたい。どのみち、時間もないのだ。