LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKS

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たかみちは好きなイラストレイターの一人*1。最初はネットで拝見して、次に低価格PCソフト、そして18禁PCソフト「果てしなく青いこの空の下で」(TOPCAT)で完全にファンになった。そんなこともあって、雑誌LOは購読したことはないけど、毎号表紙のたかみち絵は非常に気になっていた。で、今回それをまとめた画集(全表紙について、打ち合わせラフ&たかみち&編集&デザイナーのコメント付)が出たのでいそいそと購入。
こういう形で改めてじっくりと絵を見ていくと、今まで自分が思っていた印象とずいぶん違っていたことに色々驚いている。なにより、たかみち絵の自然背景(特に空、海、雪)を見て、「水彩画みたいだなあ・・・」と勝手に思っていたんだけど、今回よく見てみたらその塗りはむしろ「油絵」に近い。使っている彩色自体にはほとんど透明性がなかった。コレは本当に驚いた。でも一枚の絵として全体を眺めると、「なんだこの透明感は・・・」と真逆の印象が強烈に残る。それを実現している手法はよく分からないけど、一つだけ明確なのが「光」の使い方なのだろうと思う。とはいえ、それだけのやり方で「ぼってり感」が強くならざるを得ない絵をあそこまで光沢&透明感にあふれる形にするのは、やっぱ凄い。
あと、改めて眺めていて気がついたのは「おでこ&黒髪の女の子がほとんど」という事実。人間のちょっとした仕草についても、本当によく見ていて再現されているところと合わせて、ある意味においては「日本人が描く日本人の絵」と言えるのかもしれない。
成人向け雑誌の表紙画集と言うことで(しかもジャンルがジャンルだし)、興味はあっても無視する方も多いと思うけど、絵に関心がある、ないしは絵を描いている方なら購入しても損はないと思う(雑誌表紙についてのデザイナーさんの一言コメントも多いので、その意味でも面白い)。・・・というか、買って隅から隅までじっくり観察するだけの価値は間違いなくある。

*1:一番は堀部秀郎だったけど、若くして鬼籍に入ってしまった。