アナロ熊の影響

「アナロ熊」が暴いてしまった「地デジカ」の秘密:日経ビジネスオンライン
なぜか、日経ビジネスのネットコラムにアナロ熊のことが載っていたのでご紹介。使っている言葉が色々おざなりな気はするけど、論旨については以前に自分がエントリした内容と整合していることもあっておおむね同意。特に、

 ここで、民放連はさらに対応を誤る。
 地デジカ著作権および二次創作について、以下のようなコメントを発表したのである。
地デジカ著作権ですが、世にある他のキャラクターと同様、無断掲載には厳しく対応していきます。一般のブロガーの方がブログに掲載したり掲示板に載せることも、著作権の問題がありますので黙認することはしません」
「特に、二次創作キャラクターの作成や掲載につきましては、許されるものではありませんので、見つけ次第、厳しく対応していきます」
 私はこのコメントを見て、民放連のメディアリテラシー(メディアを読み解く能力)の低さに驚愕した。

著作権は、海賊版を売って儲けようとする業者を取り締まるために発明された概念であって、著作物を買ってくださったお客様の利用を制限するためのものではない。
(中略)
 「二次創作禁止のキャラクター」や、「複製と編集が禁じられている映像」や、「教科書に載せることができない詩」や、「図書館に置くと著者が怒る書籍」や、「ネット上で閲覧させると作家先生の団体が訴訟を起こす芸術作品」は、どれもこれも、「なにかモノを乗せると落ちる棚」なのだ。 
 つまり、「編集しない約束で録画できる動画」や「転載、引用をしない範囲内で暗誦するべき詩」や「人前で演奏しないという前提で販売されている楽譜」は、「モノを乗せない条件下でのみ機能する棚」と同じで、インテリアであって実用物ではない。そういうことだ。

ここは、自分の感想とぴたりと一致した。・・・まあ、同じ感想に至った人も大勢いると思うけど。そして、そんなことを言っている連中自体が「Wikipedia丸写し」とかやっているし、愛想尽かされたハードウェアメーカーからは著作料上乗せ拒否とかやられている。それでも地デジ推進派は後ろにお上がいることに自信があるのか、アナログ時代に彼等にとって都合の良くない方向に動いてしまった著作権管理&著作権利権を、デジタル移行に合わせて再整理してさらなる「濡れ手に粟ビジネス」にしたがっている。
・・・そしてその下心が視聴者達にあまりに露骨に見えすぎていること、そのことに対して反発を受けていることに、何故気がつかないのだろうか。あるいは、そんなことを気にする必要がないと思っているんだろうか。正直言って、権利者団体の言葉*1を聞いていると、彼等の口から「文化」だの「保護」だの言葉が出るだけでおぞましい気持ちになる。ブラックジョークとしては最高の部類に入るけど。このままだと、本当にテレビは終わるかもしれない*2

*1:素直に「既得権益だ」「黙って金と権利をよこせ。視聴者は映像が見れるだけでありがたいと思わなくてはいけない」と言ってくれた方がすっきりする。

*2:正式な統計はわからないけど、北欧の某国では地デジ移行になったとたん、テレビ視聴者の大激減が発生してテレビ各局は大減益になっているらしい。