ソフ倫、成人向けゲームのうち「陵辱系」について全面禁止の自主規定を決定?

EOCS/一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構オフィシャルウェブサイト
TBS等で報道されているようだけど、コンピュータソフトウェア倫理機構の公式アナウンスが確認できないのであまり騒ぎ立てたくはない。マスコミ系がこの手のニュースを報道するときは極めてオーバーにすることが常套手段であるし、世論のミスリード飛ばし記事の可能性だって十分あるからだ。とはいえ、根拠ゼロの状態でニュースにするほど馬鹿でもないだろうから、6/2にソフ倫側で何らかの動きがあるのは確かなんだろう。
前向きに考えると、国が具体的に「法律」として規制が入る前に「自主規制」の形で先手を打ったというもの。この方法は、過去に18禁ゲームがバッシングを受けてきたときに何度も繰り返してきた手法であって、「嵐が過ぎるまで我慢しよう」という毛色が強い。また、実写アダルト系のように政治やヤクザのような「対抗できるパイプ」*1がないこの業界にとっては、これくらいしか手が打てないとも言えるが。ただ、ソフ倫から「明確な禁止規定」がリリースされる可能性はかなり低い。この組織は宣言だけするけど、詳細は放置したままになってしまい、実務レベルの各ソフトハウスがいつも困ってしまうことが多いのだ。
逆に後ろ向きに考えると「先走りすぎた超弱腰対応」となる。確かに一連のバッシングは強かったのだが、冷静に事態を見極めれば事の本質は「対象となったジャンルのゲームを禁止する」程度で終わる話ではないからだ。もともとの販売ルート自体*2に大きな問題があったわけで、本来ならそここそを指摘するべきであったのに軽くスルー。そして今回の「外圧にあっさり膝を折った国」という(外交的にはよく見る)パターンを、『エロゲを全滅させたい人権団体』が新しい攻撃手段として逆利用しているのが新しい手法と言える(というか筋書きがあるとすればとても綺麗な流れ)。もしそうならば、今回の措置は最悪の悪手になる。これを突破口にしてさらに徹底的につぶしにかかることが必定だからだ。フェミニスト団体*3にとって、犯罪率は気にする要素ではなく、ただそこに存在すること自体が「認められない」からだ。機会があればいつでも潰そうという意志は極めて強い。それが一切の具体的犯罪行為と関係がなくとも、表現弾圧になろうと、思想弾圧であろうと。
面白いのが、今回の件が「児ポ法」関連であろうと「女性人権蹂躙」への反対であろうと、「実写系AV」の話が微塵も出ていないことだ。少し調べればわかるが、実写AVにも鬼畜陵辱系は存在しており、なまじ生身の男優・女優が演じているだけあってそのエグさは2次元の比ではない*4。もちろんリリース本数も桁違いに多い。しかし、マスコミも政治家も人権団体も、まったく指摘がなかった。ひたすらに「実現しない架空のキャラクターの人権ばかり」擁護しようとしていたのだ。・・・つまり、そういうことだ。
そして、再びあちこちに「マルティン・ニーメラー」の警告詩「彼らが最初共産主義を攻撃したとき」が貼り付けられてきている。そしてどんどん洒落にならなくなってきている。どんなものでも、最初は潰しやすいところから手をつけるものだからだ。

  • 他関連リンク(気がついたらその都度)

レイプレイ事件について・・・同人サークルの宣言。なぜ海外での反応が過剰なのかをキリスト教感を元に説明している。

*1:国会や人権団体の先生達に裏金を渡せるかいなか、とも言えるが。

*2:海外では発売してはいけない物(国内限定と明記されている)、違法コピーの雰囲気があるらしいこと、個人ユーザの出品らしいことなど。

*3:特にラディカル・フェミニズム

*4:変な言い方だが「生の迫力」は架空の絵のそれとは破壊力が比較にならない。