イヴの時間 act06:MASAKI

http://anime-ch.nicovideo.jp/timeofeve
秀作アニメシリーズ、第一部(であってほしい)の最終作。人間に酷似したアンドロイドが日常に存在する世界における、人間とロボットとの関係性の物語。本シリーズ中では(当然のことながら)その答えは出せていないけど、使い古されたテーマに対してこういうアプローチでアニメ化されたことは十分に意義があると思う。
よく言われることだが、日本人はこれだけ西洋化しても神道八百万の神々)やアニミズム信仰が根ざしているせいか、非動物に対しても感情移入を容易に行える民族といわれている。何かの調査で、自宅PCではなく会社で使用しているパソコンに「名前をつける」「思わずほめる、怒る」等の行為を行っている人はかなりいるらしい*1。なのでロボットの擬人化という点で、ドラマ中の上層組織がここまで神経質になっている点で今後どういう物語が展開されるのかが非常に興味がある。人間とロボの境界線の話をするのであれば、「人間が人間の法を破って人間を傷つける」ことと「ロボットが三原則を破って人間を傷つける」ことの境目を見極めるか、崩すかをしなくてはいけないのだから。まあ、どんどん哲学な方向にもなってきてしまうんだけどね。
ロボット=アンドロイドを作りはじめる欲求には「人間とは何かを追求するために似姿を作った」という哲学的側面と、「人間はどう動いているのかを知るために、人工的に同じものを作った」という医学&工学的側面がある。これは長年にわたって考えられ、いまだに答えがわからないテーマでもある。もちろん、このアニメがそれに対して答えを出せるはずもないのだけれども、原作者自身のひとつの答えはどこかで見てみたいと強く思う。それが、イヴの時間の第二期という形で結実するのであればとてもうれしい。

*1:実は、海外でも一定数で存在しているという調査結果もある。