MMDとVocaloidコミュニティの進化〜「Packaged」Act.3 in ニコニコ動画

ボーカロイドの初期名曲「Packaged」の2周年ということでアップされた最新PV。この2年の間に出現した、ニコ動を中心としたボカロコミュ(曲、映像、3Dモデル)の現時点での到達点を端的に示しているという点で、メルクマール的な存在になってくるのかもしれない。
【MikuMikuDance】「Packaged」Act.3【PV】

ボカロ曲については、現在「feat」扱いとはいえ初音ミク等のボカロキャラの名前でメジャーデビューしてしまっている事実がある。勿論、これは市井のDTM職人達の実力とそれを受け入れる人々、その人数が市場も無視できない規模になっていると言うことを指す。同様に、映像技術はニコマス動画の最先端を見ても判るように、もはや「ちょっとした遊びでMADを作ってみた」なんていうレベルでは無くなってしまい、金銭的・時間的制約がないという大きなメリットがあるとは言え、事実上本職達が参入しているものすら出現している事実からもその品質は揺るぎない物になっている。そして3Dモデル…複数のモデリング職人の出現と無償公開、それをきっかけとしたネットコミュニティでの協力関係が今の状況を作っている。特に、特に3Dモデルに触れたことがない人でも、比較的容易に捜査できるMMDの出現、そしてそのMMD自体の発展(物理シミュレーションが搭載されるなんて誰が想定した?)は非常に大きい*1。それらのどれかが無くなっても、おそらくこのAct.3は出現しなかった。勿論、誰もが簡単に協力できるネット=ニコニコ動画という環境がなければ、この盛り上がり自体が存在していなかったはずだ。
それにしても、ニコ動上でのニコマスコミュとボカロコミュの関係ってのは現時点においては幸せな競争関係なんだろうな、と思う。特に動画系や3Dモデル系は。アイマスの”ゲーム画面の動画抜き”から始まった状況が、ボカロ界隈で動画やMMDを作ろうと思った要因のひとつであろうし、視聴者側でもニコマス等で培った予備知識があるからこそ適切な感想や評価を下すことが出来た。今では「Voc@loidM@ster」タグ(アイマスボーカロイドのコラボ)まで出現して、時折ニコニコ動画上でお祭りもするようになっている。いつかはこの関係もなんらかの理由で消えてしまうのだろうけど、それまでは互いに幸せな状態であってくれることを強く望む。

*1:ここがニコマスと違うところ。アイマス動画は、「箱○からの映像抜き」が出来ることが前提。手段と根気があればできるとはいえ、いまだその敷居は高い。