アイドルマスター 宝野ハルカ -MASTER ARTIST 66- in ニコニコ動画

注目キーワードに「MASTER ARTIST」が突然入ってきたので、「…あれ?MAシリーズの新作なんかあったっけ?というか、アイマス関連で注目キーワードが出てくるって何事?」と調べてみたら、ニコマス動画だったというオチ。どうやら、RidgerPの新作ができあがったらしい。
アイドルマスター 宝野ハルカ -MASTER ARTIST 66-

言葉で説明してしまうとアイマスPV系でメジャーな手法である「既存曲とアイマスとのMAD」以上の何者でもない。本作でいえばALI PROJECTとのコラボとなる。が、そのとんでもないほどの画像処理技術、MMDのような自由度がない動画素材*1をもとにして作ったとは思えないほどのキャラ表現、そして何より12分という長丁場にもかかわらず物語性のある演出を行ってひとつの世界観をきっちりと作り上げたというその才能と労力には感嘆しかない。さらにエンディングテロップを見れば、RidgerP以外にも多くの実力Pの協力者がいるという事実を無視してはならない。
アイマスが世に出て、箱○に展開し、ニコ動上で「ニコマス」として一大勢力を構築するようになってずいぶんになる。そしてニコマスとしての多様さも凄い状態になっている。そのなかで本作は「既存曲との映像MAD」系のTOP of TOPがどういう状況になっているのかを端的に示していると思う。まあ、それを指して「老害」(=新人つぶし)とも言われるわけなんだけどね(苦笑)。
ただ、どれほどすばらしい映像を投稿したとしても、ニコマスコミュのP達は、その性質上「MAD」の枠組みから脱却することが不可能だ。どれだけ品質が高かろうが良くも悪くも昔からあるファンムービーでしかない*2。つまりボカロ界隈で最近出現している「メジャーデビュー」というような表舞台への道筋はまず発生しないのだ(それを当人たちが望んでいるかどうかは別問題として)。どこまで行っても裏舞台、それがニコマスであり、過去あまたのMAD&ファンムービーと同じところを歩いているんだよなあ、ということも改めて思い知った作品とも思う。

*1:箱○アイマスの映像から抜くしかないのだから。

*2:極論すれば、ニコ動運営が「著作権的にグレーなものも全部消す、となった場合、その時点でニコマスは壊滅する。そういう類の危険性が常にはらんでいるのもニコマス