おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ(1)

おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。(1) (イブニングKC)

おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。(1) (イブニングKC)

新装開店版。第1エピソードは「テレビドラマ版」への意趣返しなのかとずいぶん話題になったお話。まあそういう意図もあったんだろうけど、それと同時に「テレビマンのプロというのは、こういうものなんじゃないの?それとも、これこそがボクの幻想なのか?」という作者側からの問いかけでもあったのではないだろうか。実際、エピソード中においてテレビ側のスタッフを「あからさまに悪く書いたキャラ」は一人も存在していない。たまたま互いの立つべき舞台が違っていて、その上での意向の対立という図式にはなったのだけれども、それは互いにプロだからこそぶつかる内容であり、どちらに優劣を見せているというものではなかった。
うってかわって第2エピソードは、第1で海物をやったので山物に変えたという感じ。素朴で素直に楽しめた。
率直なところ、前期シリーズ後半に多くなった「説教くささ」がずいぶん抜けて、素直に楽しくかつ「うまそうだなあ」と思える本来の「おせん」という作品の良さが戻ってきたように思う。どうか、このまま長期シリーズとなってほしい。