もやしもん（9）

もやしもん(9) (イブニングKC)

DVD付もやしもん9巻限定版 (プレミアムKC イブニング)

もちろん限定版なんかゲットできるはずもなく…まあそれはともかく。
前半の食料論談義はめずらしく説教調というかエンターテインメントを押さえて描いてあってちょいとビックリ。まあキャラのおかげで「美味しんぼ」のようなうさんくささと鼻につく感じが極小だったので耐えられたけど。
でもまあ、実際ここで語られているのは、昨今のマスメディア等では取材されない現場の本音ではあるんだよね。しかもそれは、誰しもがちょっと考えたり想像で追体験すれば容易に理解できることばかり。

• 「だってそもそもみんなさァ」「そんなに農に感心あったっけ？」
• 「エコロジーに「ブーム」なんてつけた奴は何も分かっていないのよ」
• 「政府が悪い　農業が悪い　農家が悪いと誰かに悪をなすりつけ」「知る努力をもせず求めるばかりの消費者という名の虚像が放つエゴが真の悪だ」
• 「それを指摘し倒せる最大の力を持つマスコミは」「先頭切って震え上がって 今やそれらの言いなりだ」

（もやしもん（９）より抜粋）

色々耳が痛いし、納得できる話ばかりだ。そして一部の用語を差し替えれば、今の日本の問題の多くを指摘できる文章になっているのも痛い。上記抜粋はしなかったけど「数値・統計のトリック」についてもしっかり描かれている。表現規制やそれに連なる多くの問題点にも重ねられることが非常に多い。
でまあ、小坂さんかわええ。一番のコマは「それは暴論です！」と叫んでる小坂さん。あと、なぜか白ゴスに対抗意識いっぱいの結城クン。そんなに沢木を奪われるのがイヤか（笑）。