天空少女騎士団II

天空少女騎士団? (Aeronautica Princess)

天空少女騎士団? (Aeronautica Princess)

前巻を読んで続きが気になっていたので買ってみた。相変わらずマニアックな所も抑えていておおむね満足なんだけど、書き下ろしの回のコマ割りと時系列がどうにも納得いかない。ページ飛ばしや落丁かと思って何度も見直したほどだ。正確に言えば、コマごとの描写に説明が足りなさすぎて、まるでテープが飛んでいるように見えてしまってならない。「あれ、なんでこんな状態なの?」「台詞にはそう書かれているけど、絵がそれにマッチしていないよ?」等の不満がずっと残ってしまう。これはあれかなあ、物語より演出そのものに情熱を割きすぎて、すっかり忘れてしまったってことなのかなあ。うーむ。
で、それとは逆で言いたいことが色々伝わったのが第七話「フライング・キッチュ」。なんとこのエピソードはJコミ試し読みでも公開されている。作者は明言していないが、これは都条例に始まる「表現規制」への反対の声そのものだ。同じミリタリー作家である野上武志氏は自ら政治家や党に足を運び、ネットを使ってファンに表現規制への想いを伝えているけど、その友人である松田氏は作品そのものでそのことを問うている。この二人のスタンスの違いは中々に興味深い。勿論どちらも行動に出たという意味において素晴らしいことだ。この意志を我々は無視してはならないし、共に歩んでいく覚悟が必要だ。
そういえば、リノのエアレースで大事故があったとのこと*1。この大会はMCあくしず内で松田先生自身が漫画で何度も説明&絶賛していた大会だったから、この事故はショックだろうなあ。

*1:「リノ・エアレース」はアメリカで有名&伝統のある「飛行機レース」。地表に設置されたパイロンを目印に如何に早くコースを廻るのかを競う大会。言ってみれば、飛行機を使って自動車のジムカーナスラローム競技を行うもの。