大日本サムライガール(2)

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)

普通。普通すぎる。帯の言葉にも偽りあり。改めて第一巻のインパクトの強さを思い知った。
一巻と比べるとただのお涙ちょうだい物語にしかなっていない。いや、それはまあ別に良いんだけど、第一巻を読んだ身としてはこんな普通の話は読みたくなかった。ひまりんのとんでもなくエキセントリックな言動とそれに巻き込まれる業界と世間という大きな構造が、第二巻ではすっかりなりを潜めてしまった。
確かに話としては良くあるとは言え悪くはない。一巻よりも気楽に読める点でも同様。でも「守銭奴アイドル」と描いておいてこれですか、と。政界とアイドル業界を巻き込んだひまりんと対抗する位なのだから、徹底的に経済理論に乗っ取って経済界とアイドル業界を再度震撼させるようなキャラを期待していたのに、まったくそんなことがなかったのはどういう事か。ムリヤリ続き書けとか編集に言われたとか・・・?これ、第三巻できっちり取り返さないと「普通のラノベの一つ」で埋もれてしまうよ。せっかくひまりんという希有なキャラを出せたのにもったいない。