ベートーベン交響曲第九番「合唱付」

年末恒例の第九演奏会。とある市民合唱隊主催のコンサートを聴く。生オケは久しぶりだったので楽しめたけれど、指揮者の解釈が平凡すぎて(というか、あえて押さえた?)盛り上がりが欠けた感じが。曲が盛り上がる部分とかも非常に淡々とこなしていて、面白みが足りなかった。どうせお祭りだし、オーバー気味に解釈しても良かったんじゃないかなあ。まあ、その分オケ側の演奏やら技法に大して色々ツッコミを入れながら見ることが出来たので楽しかったけど。
あとで合唱隊の一人(身内)に話を聞いたら、練習の時と違ってかなりテンポが速く、オケも合唱隊もついて行くのに大わらわだったそうな。あれで早いって事は、かなり遅いテンポで練習していたんだな。そしてホルンは・・・ちょっと酷すぎたと思う。

カタログ発売

コミックマーケット公式サイトへようこそ
またこの季節が回ってきたわけで、いそいそとカタログ購入。表紙が商業4コマのプロというのにちょっと驚いたけど。冒頭の挨拶文が、これまでの「政治と社会の雰囲気と同人業界」で非常に重い話ばかりが続いていたけど、今回は少しだけ方向性が変わっていたように思う。テーマは似たようなものだけど、「世間の目が厳しいことは知っているよね?なら、我々がどう(自粛/自制して)行動しなくてはいけないのか、考えてよ」というように、よりコミックマーケット自身の参加者に対してのアピール性が強くなってきているように思う。
これを、新・コミケ運営本部の弱腰&世間への迎合と見るか、足場を固めた上で言うべき事はしっかりと主張&闘ってゆきましょうという宣言と見るかで、ずいぶん見方も変わるけど・・・。でも昨今の動きを見ると、「世間の圧力が強くなったので迎合していきます」という意思表示の方が、可能性としては高い気がするなあ。

アンデッド

アンデッド 1 (ビッグコミックス)

アンデッド 1 (ビッグコミックス)

本屋でジャケ買い。タイトルに惹かれたのもあるけど、「あいこら」描いた作者が死生観を前面に出したテーマをどう扱うのかを見たかったのが一番の理由。絵はポップだし軽いところもあるけど、けっこうキャラの心情を考えて描く作家と思っていたからこそなんだけど・・・まあ買って正解だったかな。おおむね期待したような内容だったし。
それにしても、帯に「試し読み大歓迎!」「[書店の皆様へ]この商品は試し読み大歓迎です。ビニールパックをかけないでください」とあったのが笑えた。本気か嘘かは分からないけど(実際、購入した書店は見事にビニールパックだった)、同人誌じゃなくて商業でこういう方法論を採ってきたのはなかなか面白いと思う。

とめはね!

とめはねっ! 4―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 4―鈴里高校書道部 (ヤングサンデーコミックス)

まさか四巻まで続くとはねえ・・・。まあ作者の力量は過去作見ても十分理解できるから、この結果も当然とは言えるけど。作品自体に関しては特に問題なし。微妙に恋愛事情を混ぜてきているので今後の人間模様も面白くなりそう(しかも文系vs体育系)。
ただちょっと気になったのは、清書や仮名にたいしてあまり良い印象はもっていないのかな、という意図が感じられること。キャラの対話の形で「そういうのもいいけど、やっぱ芸術性でしょ」という方向性を示しているのは、ちょっと違うんじゃないかな、と言う気がする。そもそも本作自体が「中国漢字」やら「篆書」から始まっているから、最初から「字」ではなく「”絵”としてのパフォーマンス性」としての書を強く打ち出しすぎている気がするんだよね。基本は軽く流して、とっとと技巧に走るってのは個人的にはいただけない(最初から刺激の強いことをやらせたいんだろうけど・・・土台がないままでは)。こういう考え方は古いのだろうけど、作中の説明だけでは「綺麗で読める字を書くこと」を軽く流す理由にはまったくなっていないのが、非常に不満だ。