空の中(有川浩/メディアワークス)

ああ、俺の体の中を流れる高知の血が騒ぐっ!仁淀川だっ!土佐弁だっ!こんな話がライトノベルで読める日が来るなんて想像もしてなかったぞ(ジブリ系でアニメ化された作品はあったけど)…そうそう、法事とか葬式とかお盆ってそのまんま大酒盛り大会になって、一升瓶が恐ろしい勢いで消費されるんだよなあ〜…俺が知ってるのは高知の山側だけど。とまあ、そのせいか帰り際に本屋で買ってから電車〜自宅とで一気読み。
それはともかく。
前作「塩の街」より書き慣れた感じ。行間表現の密度が跳ね上がっている気がしている。良い編集者の人がついたのか、本当に自分が書きたくて仕方の無かったことだったのかは分からないけど、「塩の街」にあったような空虚(ないしは妙にスカスカな文章)とはずいぶん違っている。物語の起伏で言えば、昨今売れている美少女活劇系小説よりずっと大人しい感じだけど、個人的には好きだ。というか、この人のメンタリティって自分に近いのかもしれない。女性の書き方が好きだ。
にしても、ライトノベルのハードカバーってのもメディアワークスは思い切った事をしたなあ、と思ったけど紙を見て納得。ここでずいぶんコストを下げているな。