電車男

映画版を見る。内容についてさほど言及する部分はないが、できるだけオタク色を薄目にしてちょいと変わった純愛劇を見せることに集中したんだろうと思う。そのため、作品全体が妙に小奇麗に見える。エルメスの純粋無垢ぶりはもはやファンタジーの域だし。知っている人が見ればすぐに場所が分かるアキバでのキスシーンってのはなかなか新鮮…というか浮いていた。
ドラマ版も少し見ているが、こちらは映画とは真逆で、いわゆる民放人気ドラマのプロデューサーが考えそうな「オタクの汚い部分を叩きに叩き、”真人間”になってゆく様をあからさまに描く」ことをメインにしているようで、正直同じオタクとしても「…立場の弱い人間に対しては何やっても許されるとでも思っているんだろうか」と思ってしまっている。こちらはファンタジーというよりかは、もはやブラックジョークの世界。OPのDAICONフィルムのパロディを使った部分は、よく知っているなあと素直に感心したけど。
ただ、双方共に共通しているのは「オタクなんか止めて外に出ろ」というメッセージ。気持ちは分かるけど、電車男騒動の後に、多数の外部者が2ch毒男板に流入してきたため、そこの住人から悲鳴にも似た『余計なお世話だ』という類のメッセージが出ていたことを思い出す。