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.hack//Roots 04 [DVD]

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今期終了第10弾。最終回で株が大暴落。
前作シリーズはゲームとテレビでキャラを変え、それらの登場時期をずらすことで双方破綻することなく、ユーザにもコラボ(あるいはメディアミックス)に参加している一体感を与えることが出来た。それ故に、相応の効果と好評を持って迎えられたのだと思う(TV版のキャラが出ないかな、という楽しみもあった)。しかし、今回はテレビ&ゲームとも主人公は同じという扱いにしてしまったために、ゲーム「も」プレイしている人にとっても、アニメ「しか」見ていない人にとってももはや惨状としか言えない最終回になってしまった。しかも、それまで築いてきた番組への楽しみを一挙に奪うに等しい行為で。そんな暗い楽しみこそがスタッフの期待した物だったとは思いたくはないのだけれど。
前者の場合、少なくとも「アニメの直後が皆さんがプレイするゲーム版ですよ」という体裁を維持する必要がある。が、アニメ最終回は蛇足に過ぎた。というのもゲームをプレイしている人にとって、最終回のやりとりは「存在してはいけないシーン」だったから。ゲームをプレイした人はおわかりの通り、ハセオというキャラはLv.1になってゲームに復帰した直後からプレーヤーに預けられている。しかしアニメではゲーム復帰後のハセオが、プレーヤーの見知らぬシーンを30分に渡り展開してしまった。つまり「アニメのハセオと、ゲームでプレイしているハセオは違う物(ないしはパラレルワールド)」という体裁が成立してしまった。この瞬間、ゲームとアニメのコラボは崩壊している。おまけに、テレビ版の主要キャラは(極一部を除き)ことごとくリタイアを宣言。ゲームプレーヤの数少ない楽しみも葬り去っている。確かに一アニメとしてエピローグ的な話を入れざるを得ないというのは認めるけど、そのおかげで全てのお膳立てがぶちこわしになってしまってはどうしようもない。
後者の場合、「どう考えてもアニメが終わっていない」という根本問題がある。それこそ、某週刊漫画雑誌の打ち切り定番台詞「俺たちの戦いはこれからだ!」状態なのだ。あからさまに「続きはゲームでね!そっちを見ないと最後は分からないよ」というものが見え見えの最終回というのは、ここまでついてきてくれたアニメファンに対して失礼極まりない行為だ。少なくとも、この最終回に拍手を送るアニメファンはほとんどいないと思う。銀漢が出たくらいが楽しみだったろうけど、これも前作のアニメを見ていないと「意味不明」で終わってしまうだけ。個人的には笑えたシーンではあったけど(リアルに「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!」状態だったし)正直どうかと思った部分でもある。
正直、がっかりな一本になってしまった。残念だ。