クジラの彼

クジラの彼

クジラの彼

お気に入りの土佐作家・有坂浩の一冊。「図書館危機」や本作の後書きで活字でベタ甘ラブロマ大好きを(愛すべき)土佐弁混じりで咆吼したのは分かっていたけど・・・甘過ぎだろ、これ。しかも"当然"自衛隊で。構成的には、「海の底」や「空の中」の後日談とかもあるので、一連の有坂作品が好きな人にとってはお得感でいっぱいな内容にはなっているけど、いやもうその内容が甘い甘い。本人が書きたいことだけを書き綴っただけ、と言っても怒る人はおるまい、うん。基本的に「出会い〜恋の成就?」に至る部分がメインではあるけど、そこは学生ではなく大人なので色々と考えるところもあるわけで。・・・ただね、こういう男女の関係性ってのもけっこう好きなんだよなあ。微妙な距離感とか大人としての関係性とか、割り切るところは(表面的には)すっぱり割り切っているところとか。物語とはいえ、ちょっとうらやましくなったりして。
ところで、巻末の著者近影写真なんですけどね。あれって陸自か空自のヘリ、それも輸送ヘリのコックピットと思うんだけど、どうなんでしょうか。