秋葉原連続通り魔事件

あれから三日経つけど、マスコミ界隈では相変わらずのにぎわいのようで。献花に行った人々にテレビカメラの砲列とフラッシュの嵐を浴びせ、ところかまわず献花した人に無差別インタビューを試みているいるみたいだし(桃井はるこのブログ・2008/6/8)分かってはいるけど、本当に何も考えていないのだろう。この辺りは、英国のマスコミから「日本のマスコミは、事の本質を追究することを全く行っていない」と皮肉られるほどだし。で、まあ予想通り役人とマスコミは「ナイフが悪い」「ゲームとアニメが悪い」「ついでに派遣業界も悪い」と馬鹿でも思いつきそうな(いつもと変わらぬ)表面現象だけを大喜びで書き上げている。そして「規制だ規制だ」と騒いでいるだけで、誰も本質に切り込もうとしない(今日、ネット規制法案が可決しましたしねえ)。そんな姿勢を延々と続けているから、この手の犯罪が減らないと言うことに気がつかないんだろうか・・・いや、利権に直結するから目を背けている、のほうがしっくり来るかも。
「ゲームとアニメが悪い」はもはや検討するにも値しない言説(かつて、大衆文学や推理小説、テレビがやり玉に挙がっていたことを忘れたとは言わせないよ、マスコミ上層部の方々)。「ナイフが〜」も実は論外。ナイフがなかったら包丁使ってますよ。包丁ダメなら鈍器を使ってますよ。4トントラックでホコ天突っ込んだら、ナイフで殺傷どころの話じゃないのに、そっちは問題視されないのは何故でしょうかね。それとも、死人が出なければ重軽傷者がいくら出てもかまわないって事ですか。・・・そうじゃないでしょう。負傷者がどうこうの話じゃない。そもそも、「事件が発生してはいけない」のだから。じゃあ、派遣業界の過酷労働だけが問題なのか。まさか。それも問題の一面に過ぎない。
今、真剣に議論してもらうべき事は、「優等生で知られていた若者が何故そのような凶行に走るような社会・文化になったのか」というその一点。そして、それこそが戦後営々と作り続けた政治屋と官僚とマスコミの集大成の結果であることを、真正面から理解しなくてはいけない。厳罰主義も大いに結構だけど、そんなことしても犯罪率は下がらないことは、政治家の皆様が大好きな「欧米先進国」が証明しています(思い切り目をそらしてるけど)。児童ポルノ法やら単純所持やらの法案もそうだけど、宗教的理由もあって遙かに先行している欧米では日本よりその手の犯罪率が極端に低いのか・・・実際はその真逆。でも、政治屋も官僚も人権団体も、誰も話題にしない。酷いものだね。
この調子じゃ、あと10年もしないうちにかつてのナチスソ連がビックリするくらいの言論・情報・表現統制&規制社会ができあがってるよ。