魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ

待ち合わせ型品川デリヘルでデート感を味わおう

今期終了第12弾。とても良い作品だったが、昨今のテレビアニメでの方法論に合っていたかどうか。
以前に放送されていたアニメ版および漫画版は見ていたけど、もはやうろ覚え。そのせいか余計な先入観はなく見ることができた。主人公の死については当初某所で知ったので覚悟はしていたんだけど、最初のころは微塵もそんな気配がなかったので完全に忘れていた。なので、終盤の展開は実はけっこう驚いていたりした。でも、そこに至るまでで人物描写を映像と合わせてきっちりと作り込んでいたおかげで、「悲しい」という印象は弱かったかな。穏やかな最後をどう映像としてみせるのか、そういう関心の持ち方になった。監督の「小林治」はあまり知らないけど、丁寧に心象風景を見せる(それも直接描写より間接描写を主として)方だというのは良く分かった。自分の好きなタイプの監督だ*1
もともと「魔法遣い〜シリーズ」の世界設定とか絵や人物の見せ方はけっこう好き。前作アニメも気に入っていた(はず)。ただ、演出意図があってのこととはいえ、今回ほぼ全編実写映像を背景に持ってきたのは正解だったのかどうか*2Wiki等を見ると実写映画化も予定されている上、上映時期が夏から冬に延期になった等の情報を見ると、これらの素材は映画の物をそのまま使っているのかもしれない。んで、アニメと一緒に宣伝、という意図もあったんだろうか。まあ、そうだとしても悪くはない。実写映像とキャラを違和感なくとけ込ませるのは大変だったろうし、おおむねそれは成功しているとも思う。が、昨今のオタクが好む傾向からは明らかに外れているし(一つ間違えば「手抜き」の一言で終了)、自分も諸手を挙げて今回の演出には賛成というわけではない。この辺のバランスは難しいと思う。
が、繰り返し言うけど、心象風景の見せ方や演出は本当によい。普段なら話者自身にカメラを持って行きたがるところを、あえてその周辺の人々にカメラを固定化することで、より話者の人柄を浮き彫りにする見せ方とか、かなり気に入った。むしろ、アニメよりも実写向きの手法じゃないか、と思うくらい。だから、この作品のスタッフには、何気ない日常での心象風景(シビアな物もあり)を中心とした作品をもう一本作って欲しいな。

*1:ちょいとwiki見てみたら、なんとSS時代の名作RPGグランディア」にも関わっていたとは!

*2:「発見!アニメで下北沢紹介!」とかテロップで出てきていても不思議には思わなかったよ