神船7号のねつ造騒動と人間模様(その2)

んで、今回の騒動は別の観点で眺めて面白いことに気がついた。ねつ造&疑惑側に対する意見や感想はあちこちでコメントされているので今更特に感想はない。楽しいのが、いわゆる「プロ」「詳しい人」「真実を主張する人」の言動(先に言っておくと、今回の神船7号の騒動について言えば、彼等の主張がほぼ正しいと思う)。
これがもうどこかにテンプレートが転がっているんじゃないかと思うくらいに、発言内容がまったく同じパターンだったわけで。それも、「物書き」「宇宙分野の専門家」であればあるほど、この傾向がとても強かったのがまた驚き。

  1. 捏造を主張する人に対して、徹底して罵倒する。
  2. 少しは調べてから発言しろと、嘲笑する。
  3. 「素人判断」と「プロ」「専門家」の意見と、どちらを無条件に信じるのだと迫る。
  4. いかに捏造主張派が馬鹿であるかを、高見から滔々と述べる。
  5. 最後に、普通に分析した回答をする。

いや、まあ、気持ちは分かりますけどね。明らかに話す順番違いますよ、これ。「自分で調べもしないで印象だけで感想言う連中に、わざわざ俺たち専門家が説明してやる義理なんか一つもないだろ。とはいえ無視するのも可哀想だから徹底的に馬鹿にするくらいはしてやるよ。まあ、俺たちも大人だし、一応説明もしてやるけど理解できるのかねえ?」という気持ちが見えすぎです。事の真偽は別にして、思考レベルは彼等が批判している人々と同じレベルまで落ちてしまっているのに気がついているのかな。
・・・しかも困ったことに、これらの発言をされている大半の方が、「ニコニコ動画2chのコメントがどういう類の物か」ということを理解されているらしいこと*1。つまり、「そこが飲み屋であることに気がつかず、適当なことを言っている酔っぱらい相手にくそ真面目に説明をしている」のではなく、「自分から勝手に酔っぱらいの中に特攻し、散々相手を馬鹿にした上で、わざわざ時間を作って真実を伝授してやっている」ということらしい。2chを中心とする掲示板文化では、迷惑な馬鹿&無知や荒らしへの対応はただ一つ「華麗にスルー」がお約束だけど、残念ながらそこまでは思い至らなかったということなのだろう。
逆にそれでも相手してやりたいと考えたなら、最終的に「こちら側に引き入れること」を目的として、多少手間がかかっても誠実に対応してやることが一番に決まっている。それでも「お前の言っていることは理解できないし理解する気もない。だから捏造だ」と主張を繰り返されるのであれば、そこで初めて最大限罵倒すればいいんだから*2。それに「素人かプロか、どっちを信じるのだ」なんて選択肢を「相手を散々罵倒した後に」発言しても何の効力もない。ただでさえ、今の日本は権威主義が疑問視されているのに、わざわざ相手を感情的にたたきのめした後に「俺を信じなきゃ、お前馬鹿」という選択肢を提示するのが全く理解できない。わざわざ自分から首を突っ込んで来ているのに、なんでこういう対応が出来ないんだろうなあ・・・仮にも専門家だというのに。というか、最初から理解させる気なんて微塵もないのかな*3
ついでに言えば、彼等「プロ」や「権威や経験のある」皆様のこれら発言によって、それを見た一般人まで同じような口調/発言になってしまっていること。ただでさえ二元論が流行っているのに、「えらい人が相手を罵倒/排斥しているんだから、オレらも捏造を主張している連中を罵倒しても良いのだ」とばかりに増殖してしまってる。好例がニコニコ大百科の記事であり、本当に酷い状態になってしまっている(情報としては良いことが書いてあるのに)。これはとても恐いことだと思う。

*1:つまり、事の真偽は別として、とにかく馬鹿話で盛り上がりたいだけ。ぶちゃけお祭り騒ぎがしたいだけなので、調査とか確認はどーでもいいと思う人が多い、ということを理解している。

*2:この順番ならば、批判を浴びることもないだろうし

*3:なら、無視すれば良いだけで呆れたり起ったりする必要ないんだよなあ。