18禁関連な話題をいくつか

この手のネタがいくつか出てきたので、少しだけ。

欧米人が作っている「日本ギャルゲ風味の同人エロゲ」。実は、かなり前から一部で話題になっていたけど、オタの間で知られてきたのはここ最近(まだ未完成)。タイトルについて物議を醸しているけど、当人達は「そう言う意図はない。逆にセンシティブな意味を持つことに驚いている」と言っているみたい。まあこれは日本人が外国語を知るときと同じことだろう。
さて、HPで画像を見る限り、かなりしっかりと日本の絵やギャルゲテイストを踏襲している感じがする。特筆すべきは、ヒロインが全員身障者ということ。これを聞いて以前に思ったのが「RAITA*1さんが喜びそうなテーマ」だなあ、と*2。彼の同人誌にまさにこういう話があり、企画案みたいなものもあった。で、今回改めて調べたら、まさにそこが原点だったようで。世界は狭いねえ。

  • 「金澤勝眞監督、逝去」

知っている人は知っている成人向けアニメの監督。「エロとしての実用性」「アニメ作品としての物語」の双方で一定以上の品質を維持し、継続的に作品を発表し続けた希有な実力を持った方。最近名前を聞かないなあと調べてみたら、3/8にガンで逝去されていたことを知る。ガンになっても闘病しながら作品を作っていたのか。業界から見ても大きな損失。今更ではありますが、ご冥福をお祈りいたします。

  • 「また18禁エロゲ規制論」

海外amazonで日本の鬼畜系エロゲが発売され、女性権利団体に発見され発売中止騒動になり、その尻馬に乗る形で日本の規制派議員や女性人権団体がエロゲ禁止法を児童ポルノ法案改定と混ぜ込んで導入したいというお話。今回はこれまでの「児童保護の観点」(ただのイラストに人権も何もないんだが)ではなく、女性人権蹂躙の観点が入っているのがポイント。そして、話の流れが綺麗すぎてうさんくさいことこの上ない。そもそも、日本国内でしか発売できないエロゲが、何故海外のamazonでリリースされていたのか、この段階からしておかしい。外圧好きの日本なので、規制派にとっては最高の流れであることも疑問に拍車をかける。
んで、海外で日本製エロアニメ・エロゲ・エロマンガを「当事国の規制に基づいて処理する」のは構わないと思う*3。それに、日本以外で「二次元エロゲとその多用性」がここまで発達している国はなく、国内性犯罪率も日本より劇高だろうから、過剰反応するのも仕方ないだろう。そう言う意味では、海外の反応はまっとうとも言える。
問題は日本。公明党の議員連や一部女性人権団体、児ポ規制派が動いているみたいだけど、どの理屈もめちゃくちゃ。いつものことだけど、"客観的な犯罪発生率統計"や"日本と海外での性犯罪率の比較"等の数値検討は絶対に彼等はやらず*4、さらに"架空キャラと現実に被害に遭う児童・女性の区別がまったくできていない"ことに自らが気がついていない*5。つまり「女性人権蹂躙という観点ならば、そもそもアダルトAV自体を対象として、それら全てが駄目という理屈に帰結する必要がある」ことに気がついていない(ないしは意図的に無視している)。結局、いつもの「理解できない、キモイ、犯罪増加率の一因になっている(ような気がする)から禁止」という理屈と同じ。もはや法治国家ではない。
さらに傑作なのが、公明党と話をしたという福島大学中里見博准教授の「一般ポルノの影響力をはるかに凌ぐ可能性が大きい」というコメント。中里見准教授、この手のエロゲは黎明期(15〜20年前)からずっと存在していて、エロゲでも一つのジャンルとして確立している*6ものですよ。それを前提にすると「エロゲの出現=性犯罪率が欧米並みに上昇」という事態には全くなっていないことが事実。ちなみに欧米のように「架空イラストによるエロゲはないけど、ポルノは解禁されている」環境において、性犯罪率は日本のそれとは比較にならないほど高くなっているけど、この違いはどうお考えに?「大学准教授」の肩書きを持つ人が、ただの脊髄反応起こしてどうするんだろうか。日本の最高学府も本当に駄目になってきている。

*1:同人作家。あるいは「戦場のヴァルキュリア」のキャラ原案、世界設定考察補助をやった方。

*2:まだマイナーだった当時、同人誌で「"戦車"か"デビロット姫"か"重傷でも戦う少女"」を頻繁に書いていた時期があった。個人的には今でも続けて欲しい。

*3:当然、それが表現の自由に抵触しなければ、だけど

*4:双方とも、日本の発生率は圧倒的に低い。確かに児童への性犯罪は増加傾向にあるように見えるが、それはマスコミがニュースネタとして使えると判断するようになり、積極的に記事に書くことで世間に露出しはじめただけのこと。統計で見ると、昔よりもかなり少なくなっている。

*5:皮肉でも何でもなく、オタク糾弾の代名詞であった「現実と非現実の区別がついていない」という言葉は、いまやこの手の規制推進派の一人一人が一番似合っている状況である。そもそもオタの大半は3次元には興味を持たない・もしくはそこから逃避している。そして性犯罪者は、この手の物があろうがなかろうと犯罪を起こす。所持している可能性は確かに高いけど、それを理由にするのは本末転倒。

*6:ただし、かなりコアファン向け。そのコアファンは、「この行為を現実にやる?お前馬鹿じゃないの?」と考えている人が大半。