18禁ゲーム規制に関する新しい動き

昨日のエントリで思うところはだーっと書いたんだけど、ふと気がついて昔から表現規制反対派として論陣を張っていた鳥山仁*1のブログを見に行ってみた。すると、たまたま関連エントリが二本続けてアップされていた。内容は「海外の話ならば、現地の規則に沿って対応してくれれば」と思っていた自分の想像よりも、より深刻な状況のようだ。
王様を欲しがったカエル |イリュージョンの『レイプレイ』バッシングが相当酷いことになってきた。(1)
王様を欲しがったカエル |イリュージョンの『レイプレイ』バッシングが相当酷いことになってきた。(2)
簡単にいってしまうと、現在イギリス規制派の中心となっている論拠は、18禁ゲームの「犯罪誘発率」とかそういうのはもはやどうでもよく、「セックスは全てレイプであり、男性社会の象徴であるため、それを喚起させる物はすべて文化的にNGである」という主張になっているようだ。もはや「キモイから規制」よりも遙かにひどく、「女性は常に男性の支配下にあり、それを廃止せねばならない」というかなり時代錯誤(でも急進派には利用しやすい)な主張が軸になっているようだ(「ラディカル・フェミニズム」というもの特有の主張らしい)。
以下、鳥山さんのブログから一部抜粋。

規制推進派の主張する「ポルノ犯罪誘因論」への対抗言説として「ポルノガス抜き論」を持ち出しても、規制推進派は最初からポルノが社会に影響を与えようが与えまいが撲滅するという結論に達しているので、議論として水掛け論になるように誘導されてしまう。
このように、規制推進派と反対派の主張が平行線を辿るのは、第一に規制推進派が社会的なコンセンサスを得やすいう理由で、レイプ作品をフレームアップして、自説*2を隠蔽している点に加えて、規制反対派の大多数がラディカルフェミニズムの理論書を読んでいないため、彼らの主張がどれだけ狂っているのかを、規制反対活動を通して実感できても、言語化できないという状況が長きにわたって続いていたという理由による。

↑これこそが、今日本で一番多く議論されていること(犯罪への影響はどうなのか)に対して、強烈なカウンターになっていることに注意。つまり、「そんな議論に意味はない」という考え方。

つまり、ラディカルフェミニズムの理論を受け入れた者にとって、大人同士の合意による性行為も「レイプ」なので、「レイプ」を許さない社会を構築する為には、あらゆる性表現は即刻排除すべし、ということになる。原則として例外はないのだ。

上記理論が存在するという立場で、過去の日本女性解放論者の主張と論戦を見直してみると、恐ろしいほどピタリと合致する状況が多いことに気がつく。特にその理論展開については、田嶋陽子なんかそのまんまだ。彼女は確かイギリス留学経験があって結婚生活?をしていたとも発言しているから、そこでこの考え方に賛同したのかもしれない。自民党公明党内で同様の規制活動を行うことにした女性議員も似たような主張があるらしい。
ともあれ、規制賛成派・反対派ともに自覚のないうちに、このように極端な主張が徐々に蔓延しはじめていることに気がついて、その点を十分に理解(同時に、そのような理論があることを知らせつつ)して行動する必要があるみたいだ。・・・もはや新興宗教のレベルになってきてるんだなあ。
一応、その他関連情報を扱っていたブログ。

*1:もともと成人向け小説を書いていた人でもある。

*2:marinba補足:ここではラディカル・フェミニズム論をベースとした「理由は関係なく撲滅するという主張」