児ポ法改正案審議入りと周辺動向

詳細は鳥山仁さんのブログにあるけど、大きな動きがまとめて来た様子。正念場かあ。
王様を欲しがったカエル |たちばな書店・秋葉原店が警察の捜査を受けたという情報に関して。
王様を欲しがったカエル |読売新聞が、天皇制をレイプと同一視する極左団体の主張に全面同意している件について(6月26日の児童ポルノ禁止法改正案審議に伴う最終攻勢案)

  • 児ポ法改正案、26日から審議入り

与野党で散々揉めて前に進まず終わるかも、と夢想していた案件だったけど、どう妥協したのかテーブルは用意されてしまったようで。児ポ法本来の目的を大きく逸脱した意図を含む法案は絶対に通すべきじゃない。何より、「“いっけん関係ありそうで、実は極端に逸脱した内容”でも法案OK」という前例ができたら、今後あらゆる法案でも“同様の論理展開”が許されると議員は思うだろう。これはとても危険。
(追記)どうも参考人招致に「日本ユニセフ」(黒柳徹子の本家ではない!)のアグネスが指名されたようで。知名度と声のでかさで言えば推進派にとっては一番の旗印だろうなあ。電波を振りまいてくれるか、きっちりと理論で打破できる質問者がいれば良いのだけれども。あと「児ポ法の本来あるべき原則」支持派は、誰を呼ぶんだろうか。

ソースが鳥山さんブログだけなので「?」をつけたけど、まあほぼ確定でしょう。*1
ともあれ、26日審議入りに併せて援護射撃をしたのがミエミエ。しかも、児ポ法違反者として逮捕したかたけど『法令遵守が徹底していて』(ここ大事!)捕まえられず、しかたなく猥褻図画陳列の容疑に切り替え、と。容疑の決め手になったという「擬似ロリ系」*2というのはよく分からないけど、三次元物なのは確かだろうと思う。
これぞ、典型的な国策捜査ってやつでは?*3
表のニュースに載れば、マスコミ系は“必ず意図的に間違えつつ”、児ポ法容疑じゃないのに児ポ法と絡めて報道するだろう。大手マスコミの偏向振りのリトマス紙になるとは思うが、報道内容か一般認識とすり替えられるのが危険かなあ。あと、鳥山さんのブログをみる限り、関連業界の“対岸の火事意識”が強すぎる。意図的に無視しているのかとも考えていたんだけど、単純に馬鹿で想像力が欠如しているだけだったとは…。ソフ倫はお隣さんみたいなものなんだから気がつきなさいって。

  • 読売新聞の推進派援護

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090620-OYT1T01029.htm
これも26日審議入りに合わせてのことだろう。けど、本当に大手マスコミの記事かと思うほど恣意と偏向とトンデモにあふれていて目を疑う。というか、アグネスらの「日本ユニセフ」の主張をコピペしたんじゃないだろうかと思うくらい文意が同じだし、あまりに感情に走りすぎている文面は新聞記者のそれとも違う。

主要8か国(G8)で単純所持を禁止していないのは、日本とロシアだけだ。日本が単純所持を容認していることが、国際捜査協力の支障となっている。

事象だけならその通りかもしれないけど、逆に言えば「世界190〜200前後の国家で、禁止しているのはわずか6カ国」とも言える。また「国際捜査協力の支障」というのもおかしな話。国が変われば法も変わる。ただそれだけの話であり、「Aという国では法を犯しているので、Bと言う国でも犯罪に違いない」というのは暴論である*4。真に国際犯罪的な要素があるなら、普通に捜査協力を要請すればよいだけのこと。それとも、究極のグローバリズム*5でも望んでいるのだろうか。また、海外における児童ポルノと称されている画像の中でも、「アジア系成人の画像」も多く含まれているのもよく言われている*6

児童ポルノに類したマンガやアニメなどについても、欧米では規制する国が増えている。
最近は、少女らをレイプして妊娠・中絶させる過程を疑似体験する日本製パソコンゲームソフトが国際的に出回り、英国議会などで批判された。

このソフトは国内流通向けにしかリリースされていなかった物を、海外で"勝手に翻訳し"、"勝手にネット通販(amazon)に上げた"ものである。つまり海外の個人の行為でしかなく、問題とすべきは海外で勝手に流通されてしまったという事のハズである。また、その規制が各国の現行法に照らし合わせて正しいのであれば、その国にとっては通常の対応でしかない。ゆえに「だから日本でも」というのは論理の飛躍も甚だしい。ここでもはっきり言っておくが、「キモイから/自分は嫌だから」という個人の感情は尊重するが、「だから禁止」としてはいけない、ということである。それは法治近代国家の成すべき事ではない。また、この英国で批判を行った女性人権団体派は、いわゆる「ラディカル・フェミニズム」の先兵的存在であり、等の英国でも「おかしな連中」という意識のほうが強くもたれている。

この問題を受けて業界団体は、性暴力を扱うゲームソフトの製造販売を禁止することを決めた。

英国議会で批判を受けたから禁止にしたのではない。ラディカル・フェミニズム系の団体(例えば日本ユニセフ)が、海外の動きを外圧ネタとして変換して、関係官庁等に働きかけた影響と言われている*7。少なくとも、業界団体は「批判運動を行っている団体の主義主張を『正しい』と認識して対策したわけではない」*8
なにより、今回の批判運動の先頭に立っているラディカル・フェミニズム系団体は、『架空の二次元画像(アニメ、漫画、ゲーム)によって、実在の児童性犯罪発生率が上昇している*9』等を認識して運動をしているわけではない。彼等は「ありとあらゆる(女)性描写(実際だろうが想像だろうが)はすべてレイプ」と断じる集団だ。恋人や夫婦の営みも、おむつCMの赤ん坊も「性犯罪でありレイプ」なのだ。それゆえに「児童保護」やら「犯罪発生率」なんてものは、最初から論の中に入っていないのだ。だから、

表現の自由」とのかねあいもあるが、児童保護の観点から積極的に議論すべきだ。

という主張はまったく真実ではない。これを主張するためには、児ポ法関連や表現規制がガチガチになっている「先進国の性犯罪率」と、規制が緩い「日本の性犯罪率」を比較し、あきらかに日本が高いことを証明しなくてはいけない。が、この結果のほとんどは「圧倒的に日本での性犯罪率が低い」ことが証明されている。
つまり、論が破綻している。
ちゃんとやりたいのならば、「ラディカル・フェミニズム系の理屈」と「実在の児童の保護」の二つをきっちり分けないと、『詭弁のガイドライン』の出来の悪い見本しか出てこない。にもかかわらず、読売の記事はエスカレートし、ついに「ネットを監視下に置け」「表現規制をしても良い」と恐ろしい論理展開まで行ってしまっている。中国やロシアのメディアだって、ここまであからさまなことは書かないだろうに。

*1:コメントで指摘いただきましたが、少なくともがさ入れのあった店舗名は「たちばな書店」ではないようです。ただ、系列なのか無関係なのかが今ひとつ分かりませんが…。

*2:どうやら、「幼く見える成人AV女優さんのエロビデオ」ということらしい…って、問題ないじゃん。

*3:民主党の小沢さん関連を支援するつもりは毛頭ないけど。あれは明らかに民主の対応がおかしいから。

*4:感情論では理解できるが、感情で法や国家を動かすことは、それこそ近代国家にあるまじき行為

*5:法も思想も国家も宗教も正義も"たった一つ"に統一された世界

*6:これはアジア人特有の幼形成熟に起因する物。

*7:残念ながらソフ倫は非公開主義なので正確なところは分からないが。

*8:もっとも、ソフ倫の対応はそう思われても仕方がないくらい早かったけど。

*9:真実は別にして。