機動内親王澪子様の冒険 女皇の帝国・シルバーリンク(1)(2)

機動内親王澪子様の冒険 (ワニノベルス)

機動内親王澪子様の冒険 (ワニノベルス)

そういや、女皇の帝国シリーズの続編がないなあ、と思い始めていたら、本屋にこれの2巻が出ていたことに気がついて慌てて1、2巻とも購入。巻数が振ってあるけど事実上の上下巻構成。体裁はあくまで女皇の帝国の外伝であり、時系列は本編の直前である。
正直言うと、なぜそういう時系列の外伝を出す必要があったのかは疑問ではある。こういう物は、通常「本編に出てきたサブキャラはスポットを当てる」という体裁が多いんだけど、本書の主人公である駒条宮澪子は本編では微塵も出ていない。本編に出てきたサブキャラがあちこちにゲスト出演しているわけでもない。あえて言うならば、本編で登場直前になっている「巨大氷山空母」の技術的バックボーン(あるいはハッタリ)を説明するための本と言えるけど、それもおまけのように見えてならない。要するに、本書は作者自身が書きたいシチュエーションがあり、本編の売れ行きも好調でもあるため、そのご褒美として(作者の自己満足が主な理由で)出版された一冊なのではないか…と邪推してみたり。あ、でもメイド成分が多少補給できたのは嬉しい…職業メイドじゃないのが残念だけど。
本編が好きで、作者自身による同時代設定な同人誌を読む、ということなら十分買いだと思う。ただ、これだけ単品で読んでしまうと、「萌え戦記」としても「ミリタリー物」としても中途半端なできなので、あまり強くはオススメできない。