「どうする表現規制、民主主義の使い方を考えよう」に行ってみた・その3〜(不健全図書指定)

従来から、都は「不健全図書」対策として第8条を作っている。ちなみに、この条文は「18歳以下」という規定がない点を注意するように、とのこと。

一 販売され、もしくは頒布され、又は閲覧若しくは観覧に供されている図書類または映画等で、その内容が、青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するものとして、東京と規則で定める基準に該当し、青少年に健全な成長を阻害する恐れがあると認められるもの

ここにおける「著しく性的感情を刺激するもの」については、反オタク国会議員リストさんのブログの4/1エントリの形で紹介されていた。簡単に言えば「エロい雰囲気・または直接のエロ描写で、人格を否定する性行為を容易に想像できるもの」「ゲームなどでエロい行為を疑似体験できるもの(ここには「人格を否定」とは書いていない)」「それ以外でも、前述と同様にエロいと連想できるもの」が「著しく性的感情を刺激するもの」。また、都のQAでは「性的に刺激されないけど社会的に許されないものは駄目」ともある。
つまり、上記の条文でここまで範囲が設定されているわけなのだが、そこに新たに次の文言が追加されている。

(前略)〜映画等で、その内容が、第七条第二号に該当するもののうち、強姦等著しく社会規範に反する行為を肯定的*1に描写したもので、青少年のせいに関する健全な判断能力の形成を著しく阻害するものとして、東京規則で定める〜(攻略)

「強姦・社会規範に反する行為」が「人格を否定する性行為」と違うとは思えない。都の主張では、「規制できないから新たに作った」らしいのだが、どう見ても十分に守備範囲に入っている。成人向け創作物を根絶しないと、青少年の健全育成ができないというすばらしい想像力を持った方々が、こんな単純なことに気がつかないとも思えない。
では、条例にこのように記載することで、誰かが得をするということなのだろうか…一番得をするのは、やはり「武器を増やしてもらった警察関連」しか思いつかないのだが。

*1:=告発目的以外のすべて