あきそら(4)〜(6)

あきそら 4 (チャンピオンREDコミックス)

あきそら 4 (チャンピオンREDコミックス)

あきそら 5 (チャンピオンREDコミックス)

あきそら 5 (チャンピオンREDコミックス)

あきそら 6完

あきそら 6完

三巻までの展開があってさあどうなることかと期待していたけど、やはりラストは時間との勝負になってしまった感が強い。特に親父登場からの展開があまりに拙速に過ぎた。それまでの展開からすれば、じっくりと種をまいてゆっくりと芽を出させて…というような身内の愛憎劇をタブーを巻き込みながら展開したかったのだろうけど、実質その大半がやむなく削り取られてしまった感じがする。その結果、本来なら大きなポイントになるべく「親父」というものが単なるおじゃま虫程度の扱いにしかならなくなり、結果的に非常に残念な終わり方となってしまった。
作品の方向性は正しかったはずだから、「7月」という時限爆弾によって全てが壊れてしまったことが非常に残念な作品だった。
あと最終巻巻末の後書きには心底驚いた。「虐殺器官」の作者と友人だったとは…。もし彼が存命だったら、二人のコラボが見られたかもしれないなあ。少なくともあきそらの作者はタブーを正面から描ききる覚悟をするくらいの度胸があったわけだから、それと彼が組んだときに何ができるのか、それは見てみたかったかもしれない。