ガールズ&パンツァー リボンの武者(6-16)

野上センセ版ガルパン、一巻の終わり。いやー、最後まで徹頭徹尾野上色だったのは個人的には最高だった。(純粋なアニメファンからすれば賛否両論だったけど)より作風全体をより戦争寄りに、そしてキャラの特色もよりとがった方向に持って行った結果、「謎カーボンで守られているとはいえ、もしかしたらこっちは死人が出たりして」とか思ってしまう描写も多数あったのはミリオタ的には嬉しかった(それでも謎カーボンのプロットアーマーは無敵だったけど)。まあそっちは(最終回に評価を急降下させてしまった)シグルリのスピンオフ「狂撃の英雄」(戦翼のシグルドリーヴァ 狂撃の英雄 1 (ヒューコミックス))で実現できているけど。
もとよりアニメ版の水島監督から「スピンオフというより並行世界的なつもりでOK」とお墨付きをもらっていた本作だったから、野上先生も安心して描写できたんだろうなあ。正直、アニメ最終章が終わるまであと何年もかかるだろうから、その間に本作をアニメ化してほしい気もしているんだけど…拒否反応も多いだろうなあ。
正直最終回をどうするんだろうとずいぶん前から考えていた。少なくとも「しずか率いるタンカスロンチームが大洗に勝つ」というプロットはいくら何でも採用できない。これをやってしまったら、いくら並行世界とはいえ「やってはいけないことをやった」ことになってしまう。しかし中途半端に相打ちは、以前の大洗八朔祭りの時にアヒルさんチームで使ってしまっている。じゃあ、どうやって負けるのか…ということだったけど、なるほどそうやったかあ、というのが素直な感想。個人的目的はおおむね達成、ただし勝負は負けた、と。まあぎりぎりの選択肢だったろうなあ。
にしても最終巻のモブはお遊びがすごかった。二次元三次元を問わず、野上作品・ガルパン作品・野上先生の友人関係が出てくるわ出てくるわ。アラフィフ以降のアニメ・マンガやミリオタ的には笑い(ないしは苦笑い)が止まらなかったろう。例えば「園田屋の朝鮮飴」&ソノケン先生がリアルに存在し、園田健一先生もアニメーター&漫画家として一世を風靡した存在したこともわからなかったろうなあ。そういう意味において、隅から隅まで何度も読んで楽しめる。
別の雑誌に書いてたけど、野上先生的にはこれで(公式には)ガルパンから自由になれるらしい。それはそれで少し寂しいけども。