MC☆あくしず Vol.1

「兵器と美少女という分野」を専門にした雑誌ということで買ってみた(「萌えよ戦車学校III型」連載とか、RAITAさんが昔同人で書いていたような兵器ネタの連載があるというのも理由だけど)。昔からのミリオタからすれば兵器の擬人化どころか美少女化というのは噴飯物だろうし、戦史にまるで興味がないメカ美少女好きには大半の記事は重過ぎるという微妙なバランスなんだけど、あとがきを読む限りでは編集部もその辺りは重々承知しているっぽい。奇しくも「萌えよ!戦車学校 II型」で秋山教官が吐いた毒にもあるように*1、ミリオタ予備軍はそれなりにいるはずなのに、ほとんどそうはならないという状況をなんとかしたいという志と、その手段を現代風にアレンジしたらどうなるかという考察が合流した結果がこの雑誌であると宣言しているし、その考え方には賛同できる。そして、その点においてこの創刊号は良くがんばっていると思う(狙いがハッキリしているから、編集方針や作家集めもやりやすかったと思う)。もちろん「ミリオタ予備軍を真のミリオタにする」という目的にどれほどの意義があるのかという根本的な疑問はあるのだが、そもそもオタクは社会貢献度なんてものを考えるだけ無駄なので(カタギ衆に迷惑かけないように生きるという不文律はあるけど)、この一冊のためだけに正気に戻って非難&嘲笑することにほとんど意味はないので却下することにする。
あとは、この雑誌のコンセプトに対して包容力というか許容力のあるミリオタ予備軍がどれくらいついてきてくれるかの一点でしょうな(以前から兵器と戦争と美少女とメカに興味がある人よりも、その入り口で迷っている人を連れ込むのがこの雑誌の目的のはずだから)。個人的にはなんとか続けて欲しいけど、「萌えよ戦車学校III型」1冊分の原稿がたまるどころか、数回の発行で休刊になりそうな空気がぷんぷんするのがなあ(悪い予感はよく当るし)。がんばれ。

*1:「これくらいは常識、軍オタの悪い癖です」「てゆーかな、一部の軍オタがそーうあって初心者いじめに走るから〜(略)〜ドマイナーなジャンルになってんだってわかってんのかこのキモヲタども?」〜II式漫画より