アメリカでの表現規制

今回の問題を追いかけてると、アメリカの表現規制の実情(特に暴力と性表現)についての話を見ることができて興味深かった。

  • 漫画(主にアメコミ)

以前からなんでこうもステレオタイプな話ばかりなんだろうかと思っていたが、暴力表現については昔から積み上げられてきたガチガチのガイドライン(絵の見せ方のみならず、物語規制まで)があって、結果として「もはやああいう内容しか書けない」のが事実らしい。欧米では漫画は子供用という認識が極めて強いという理由もあるのだろう。そりゃあ、日本の漫画表現の自由度がうらやましくなるよなあ。日本で一時期、アメリカ式の工場化したマンガ作成システムが注目されたことがあったけど、書く内容(絵・物語)がテンプレート化できるという前提があるのなら、さもありなん。

  • AV関連

「モザないし、ポルノ解禁されてるし」程度の認識だったんだけど、中身は恐ろしいほどガチガチのようでびっくり。原則、一般的宗教(キリスト教)&道徳観念から外れるものはオールアウト。のみならず、常に笑顔じゃないとアウトだったり男女での映像登場時間の比率まで決まっているらしい。日本のAVが人気というのは時々聞くけど、東洋人の幼形成熟体型以上に、様々な内容が許容されている表現幅が彼らにとって羨ましいのかもしれない。確かにこれならモザの有無なんて微々たる問題だろう。因みに、日本のAVは「法律遵守」が重要であり、表現については「価値観の問題は個々人に依存するものであり、単純化できない」という観点らしい。
そして、そこまで漫画やアダルト表現規制が浸透しているアメリカと、(現時点だはまだ)緩やかな日本とで、どちらの犯罪発生率が高いかは言うまでもない*1

*1:規制派にとっては、規制→全面禁止にすることが目的で、「犯罪発生率の抑止」は何も知らない大衆向けの道具でしかない点に注目