小説版ガンパレード・マーチ ファンブック

発売日に購入して暇なときに隅から隅まで読んでニヤニヤしてたりする。とにかく、ココには自分が小説版・榊ガンパレで求めていた要素の多くが叩き込まれているので、購入当初から大好きな一冊となってる。それは「戦史としての榊ガンパレ」と「オリジナルキャラへのスポットライト」。
ガンパレシリーズではゲーム本編キャラを全面的に正面に書いていないこと、さらに所謂「無名世界観」に基づく「謎」への言及がほぼ皆無であること等はガンパレ本編ファンからもかなり突き上げがあったらしく、榊氏本人もかなり苦慮した様子。それは、このファンブックの端々に懺悔のように現れてきている。
でも、すでに様々な設定情報が開陳され尽くしていて、おまけに芝村氏主催のゲームでない限りこれらキャラが死ぬこともないわけで、そう言う意味では「戦争」として描くのはとても難しい(ただのスーパーヒーロー物になってしまう)。それ故、この榊ガンパレシリーズはオリジナルキャラ達の悲喜こもごもの活躍があってこそのシリーズだったと思う。彼等こそ、作者も読者も「いつ死ぬか、死なないかが判らない」キャラ達だったのだから。各戦線・恋愛事情に一喜一憂できたのもそのおかげだ。だから、私個人としては、榊ガンパレの方法論は全面的に支持したい。そして、それを貫いた作者へのご褒美が、この一冊だとも思う。