DARKER THAN BLACK -流星の双子-

DARKER THAN BLACK

DARKER THAN BLACK-流星の双子- 2 [Blu-ray]

DARKER THAN BLACK-流星の双子- 2 [Blu-ray]

今期終了第4弾。…やっぱり1クールじゃ足りなかったんだよ!
相変わらず天斎カントクは「わざと」説明しないことが多いなあ…まあだからこそ色々考えを巡らすことが出来て楽しいんだけど。Webラジオ「DARKER THAN BLACK PASS」で変態…じゃない三宅さんが言っていた「流星の双子としてはちゃんと終わるけど、DTBとしては続く感じ」「もやもやが残る」ってこういうことか。
いや、それにしたって、ラスト1話でここまで超展開がくるとは流石に想像してなかった(笑)。監督自身も分かっているんだろうなあ…この全力投げっぱなし状態に見えるエンディングに賛否別れることを(批判が多いと思うけど)。まあ、主役&準主役がラストにこうもパタパタ逝ってしまうとは思わなかったし…いやまあ、本作に限っては「その可能性もあるなあ」とは思ってたけどさ。
第2期の話の軸&主役は「蘇芳」であることはカントク自身はっきり言っているから*1、物語はあくまで彼女の視点&行動が中心とならざるを得ない。なので「人類vs契約者」とか「契約者バトル」とか「対価」とかの話が第一期よりも大幅に減ってしまったことは非常に残念だけどまあ仕方がない。*2ただ、そのおかげで第一期の展開を期待していた多くは色々残念だったわけだけど(萌え要素は悪くないけどね)。
んで、だ。結局なんだったのか、ということなんだけど、現時点でテキトーに想像してみる。

コピー地球と物語全体

  • イザナギイザナミは日本神話における「国産み」「神産み」の夫婦。
    • 紫苑「コピー能力」でコピー地球を作り、ハイパー銀「契約者&ドールの自殺>魂収穫能力」、パパチェンコ「ME」「流星核による記憶定着実験」で人類等の記憶をまるごと確保、そしてイザナギイザナミで合意してワープゲートを開放してまとめて移動。まさに『星の箱船』=最終回タイトル。
      • それはそれで良いんだが、なんでそんなことを実施しようとしたのか。その根本が判らない。紫苑も銀も自律して動いていたように見えるが。
    • 第一期後半にヘルズゲートに設置された機械は「これと似たようなもの」であり、契約者を"抹殺する装置"でもあった。ということは、「契約者を驚異に感じる」人類が契約者(正確には、人類にとって有益に働かない多くの契約者)を抹殺しようとする計画はなおも活きていたと言うことか。そこに「三鷹文書」が出てきて利用しようとした。
    • 紫苑・銀は、もしかするとシンプルに「好きな人・愛する人=契約者が平和に暮らせる世界を提供したい」(=エクソダス!)だけだったのかもしれない。そのためのコピー地球&魂回収だったのか。契約者としての記憶を消せば、さらに平和となるわけだし。
    • 「契約者を追放したい」人類と、「今の世界は契約者に"なってしまった人々"にとってつらい」と思った紫苑・銀の思惑が結果的にイコールになって、双方の意思疎通はないままにこの事態を引き起こした、と。
    • コピー地球において、元契約者達は事実上移動(現地球から消滅)。その他一般人は「ME&流星核」による複製(現地球と同時存在)、かな?
      • 黒やジュライ、紫苑の記憶を失った蘇芳は幸せなのだろうか。台詞を聞く限り、「黒の記憶は消去しきれなかった=不完全なコピー」という感じではあるけど。
    • そういや、紫苑のコピー能力は「いつもどこか一つ違う」という問題があったはずだが、コピー地球は問題ないのだろうか。
  • ようするに、第二期のテーマは「契約者の魂の解放」みたいなことだったのだろうか。
  • コピー地球って、結局「実在」するのか?なんか凄い勢いで現・地球から離れていったけど。地球の公転軌道のちょうど反対側に移動したとか?あるいはコピー地球そのものが一種の「仮想空間」でしないとか。互いの地球どおしで観測可能なのかな。

黒と銀

  • 白銀の台詞、ラストショットからして、当初目的通り黒は銀を"殺した"。
  • ただ物理的に殺したと言うより、かつて「黒の中に白がいた」と同様に、ゲート内の「希望実現機能」によって「銀の魂を黒が取り込んだ」というほうが正解なのかもしれない。それによってBK201の星が復活。
  • もし、蘇芳の流星核消滅によって黒の中に白が復活したのなら、黒の中で「妹&嫁戦争」勃発なのか?
  • 白銀が「まだ間に合う」と言っていたのは、あのまま進行すれば全地球レベルで「コピー地球へのエクソダス」が発生するところだったが、それが阻止されたと言うことか。
  • 黒銀はたぶん「新たに生まれたもの」(ある意味『神産み』)なのだろう。男に見えたけど…これは紫苑による銀コピーだから?で、こいつの目的はなんだろうか*3
  • おそらく黒はコピー地球には行っていない。となると、黒と黒銀の今後の関係はどうなるんだろうか。無関心?対立?協力?

組織

  • 表向き、人類vs組織は人類側の勝利。
  • ただ、アンバーが目指した「契約者が救われる」世界は、コピー地球への魂移住により成し遂げられたとも言える。そう考えると、組織自体の達成目標はクリアしたとも言える。
  • もっとも、すべての契約者がコピー地球に移動したわけではないらしいので、新「組織」として元三号機関とかが動き始めたということか。まあ、こっちの組織は「契約者と人類の正しい関係性」のためのものっぽいけど。

その他

  • マジシャン、やっぱりあれは死んだふりだったか…復活遅すぎだけど。MI6とCIAがつながっていたことも判明したし、欧米の権力復興という裏設定もあったのね。
  • 首都圏を外国勢力に押さえられている日本国ってどーゆーことよ。無政府状態じゃなかったよなあ。
  • ジュライの自我覚醒>萌え炸裂>死亡。紫苑や蘇芳も準拠。…いやまあ、そういう話だけどね。いや、銀の能力で殺された契約者はコピー地球に復活しているのか。ママンも、コピー家族と合わせて復活だな…あれ、てことはターニャの復活はないのかよ!
  • マオ=ペーチャ=リカルドの記憶サーバーは、マダムオレイユ(元恋人)が確保しているでFAか。マオとしてみれば安心だけど、生殺与奪がオレイユの指先一つと考えるとなかなか恐い。
  • 地球人類のMEコピーっていつやったんだろうか。独りずつ機械にかけるわけにもいかんだろうし。…lainみたいにシューマン共鳴だの電離層の利用だので地球規模で仕掛けたんだろうか。あるいは、とりあえず身近な人間を片っ端にやって、あとは一部変換コピー?

まあ、色々考えていけばネタは尽きないわけで。そう言う意味では面白いアニメではある。
ちなみに第3期の可否はDVD&BDの売上次第で検討するらしい。まあこの不景気だから致し方ない部分はあるが、監督自身は「第二期のコレでDTBの物語としてはケリをつける、でも続けようと思えば続けられる内容にはなってる」みたいなことを言っていたので、これでアニメが終了だったとしても監督的にはOKなのだろう。もともと「すべての舞台裏としかけと世界をオープンにして懇切丁寧に説明する」人ではなく、劇中の設定はすべて「劇を進行させるための小道具にすぎない」という考えの人だし。まあ、そういうのもアリとは思うけど…でもこの終わり方なら、やっぱ「第一期の路線」を復活した第三期は見てみたい。美咲さんは狂言回しとして絶対にでることが条件。

*1:DARKER THAN BLACK-黒の契約者-」 オフィシャルファンブックより。

*2:おかげで、第一期のように「敵方ではあるが、人生を映した多くの愛すべき契約者達」がほとんどいなかったのは残念だった。

*3:まあ天斎監督のこったから、何も決めてないと思うけど。