はやぶさ2に向けての障害

松浦さんが自身のブログ6/30エントリーにて、宇宙サイエンス系学者の秋山さんのブログの文面を引用しつつ、宇宙行政内部の分裂と現状認識の甘さを再び指摘。
このエントリーをみる限り、日本宇宙行政上層部は、余程の阿呆かアポロコンプレックスの塊、でなければ政争にしか興味のない政治屋なんだろうと思う。ある意味、はやぶさのもたらした成果と意味を一番理解出来ていない集団かもしれない。
確かに月への有人着陸は偉業には違いないし、いつかは実現したいのは理解できる。しかし、すでに他国が実現済み&米国ですらトーンダウンしているテーマを、「大きな成果と実績のある日本宇宙技術&科学を潰してまで」実行すべきテーマではない。正直、月はもはや人を送って喜ぶフロンティアではなく、より実用科学的な地に足のついた活用方法を模索する段階だろう。それこそ、探査能力を向上させてローバーを追加した「かぐや2」でも充分だ。
忘れがちだが、はやぶさの本質は「実験機」だ。そこで得られた成功と、貴重な“数多の失敗という財産”を次につなげないと意味がない。サイエンス系なら、工学系でやれる部分が理解できたのだから、より大きな成果の為に具体的に提案できるはずだ。何より、他国が持ち得ない優位が眼前にある。無駄なく活かすのが当たり前じゃないか。