探査機あかつき、状況確認できず

逆噴射開始直後まではうまくいっていたらしいから、その後になにがあったのか…だよなあ。せめて、金星の重力圏に捕まってくれれば今後の救出運用にも色々希望が見えてくるんだけど、そうでないなら色々難しいことになりそうだ。まあ、のぞみといいはやぶさといい、トラぶったときはどっしり構えて一つずつ片付けるしかないし、いち航空宇宙ファンとしてもひたすら応援して見守るだけだ。
状況は一言で言えば不明。一応「セーフモードに入っているらしい」「10分で一回転の状態」「低利得アンテナで通信しているが、中利得に移行できない」「テレメトリが確認できないので、現在の軌道も確認できていない」といっているので、なんとか探査機自体の概要状況だけは、これまでに入手している情報から「推測」はできているっぽい。ただテレメトリが確認できない(=低利得アンテナは通信速度が非常に遅いので、情報が入手しにくい)から、詳細は今後の情報を見なければわからないままとのこと。こりゃ、本当に時間かかりそうだ。
それにしても、やっぱり宇宙探査というのはまだ人類にとっては恐ろしくハードルの高い世界だと言うことを改めて実感。数日前にはロシアがGPS衛星の打ち上げを失敗したと言うし、まだまだ飛行機や車のようにはいかない。今回は「クリティカルフェイズ」という宇宙機にとって一番危険なステージのさなかにトラブルが発生した(と思われる)んだけど、このタイミングで事実上喪失した探査機はかなりの数あるという。
まあ…そうは言っても、だ。幸い日本は無人探査機のトラブル回復には多くのノウハウがあり、それを持つ人材も(幸いなことに)残っている。なんとか少しでも良い形に持って行ければと切に思う。