空の境界 第5章「矛盾螺旋」

劇場版 空の境界
原作がだいぶうろ覚えだったせいか、「もう一回原作を読んで、映画を見直す」のが必要かな。ただ、かなり複雑だった本編を演出として分かりやすく整理したという意図は強く感じた。式サイドと幹也サイドとで明確に分けた上で、ラストで一本にするという方法は非常によい選択だと思う。ただ絵的な不満があるとすれば、せっかく日本刀を出してきたんだから、しっかりと見栄を切らせた演出を見せて欲しかったよ。もったいないにも程がある。
あと、原作を良く覚えていた友人や周りの観客の反応からは、原作での「キーとなる演出や見せ場がかなり変更されていて、第5章としての楽しみがかなり削減されただけじゃなく、今後の章で出てくるような伏線が消化できなくなる演出すらあった」という。ここまで十分に良い作品を作ってきたufotableだし、単純な原作読み込みミスとは思いたくないので何らかの演出的選択をしたものだと思うようにするつもり(パンフでも原作者は納得しているようだし。そこに書いてあった「ギリギリだと思います。でもこれもありかな」ってのは、つまりそういうことなのかな、と)。あるいは残り2章で伏線部分がどう消化されるのか(あるいは消化されるないような見せ方になるのか)を見るのも一つの楽しみ方かもしれない。・・・いや、まあそういう思惑とは関係なく単純な読み込みミスだったら悲しいけど。(まあそうだったら、脚本担当の平松さん自身が一番ショックだろうけど。ufotableの看板の一人だし)