パンプキンシザース(12)

Pumpkin Scissors(12) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

Pumpkin Scissors(12) (KCデラックス 月刊少年マガジン)

相変わらずの政治臭さがたまらないなあ。というか、本巻を読んでいて強く思ったのは、「軍事学入門を読んでいるみたいだ」ということ。日本では誤解されがちではあるが、軍事学というのは別に戦争のやり方だけを研究しているわけではなく、軍事という現象を通して政治と経済と人を俯瞰する学問だと自分は思っている。平和を強く望む人であればあるほど学ぶべき物だとも思う。なんせ、軍事は余計は「性善説」や「希望的観測」なんてものとはひたすら無縁だ。常に最悪を考え、それを回避するためにはどうすればいいのか、どうしなくてはいけないのか…それをひたすら冷徹に思考する。それが軍事学
そして、この作品のあちこちにそのような思想がこびりついていると思う。それはまさに「戦後」という世界を描いているからこそ取れる方法論でもある。作風と違って、内容のヘビーさのアンバランスがまた魅力なんだけどね。なんせ、12巻には主役であるハズのアリス少尉がほとんど出番がないし(苦笑)。