宇宙よりも遠い場所

今期終了分。個人的には2018年トップクラス(まだ始まったばかりだけど)。
オリジナル物の面白さを存分に楽しませてもらった。脚本が粗製乱造が得意(時々当たるけど)な人だったのでかなり心配ではあったけど、「南極観測隊のリアルな日常」と「女子高生たちの友情物語」が素晴らしいバランスでかみ合っていて拍手が止まらない。
特に友情物語については、同じ脚本家が描いた「ラブライブ」のようなテンプレ&ご都合で塗り固められた善隣友好物語ではなく、「友人とは」というテーマでかなりまじめに取り組んでいた部分がよかった。友人同士の関係性もいい感じに描けていたし、自分を馬鹿にしたあるいは友人を無視したかつての人々に対して「ざまあみろ」「ざけんな」でバッサリ切り捨ててそれで良しとした作品は、きわめて数が少ないはずだ。それを成しただけでも十分すぎる価値がある。
南極観測や昭和基地についてもかなりリサーチをされているようで、ずっと昔に個人的興味で知った内容とも多くがかぶっていて、それだけでもにやにやが止まらなかった。
ラストも変にベタベタすることなく、「ずっと親友だよ」「今日はここで別れよう」とすっぱりと決断したところも非常に勇気のいる脚本だったと思う。願わくば続きかスピンアウトも読みたいところではあるけど、ここまでしっかり描かれてしまうと何をやっても蛇足になるんだろうなあ。