true tears BD-BOXに伴う騒動・2

TVアニメ「true tears」公式サイト
追加募集そのものには大きな不満が無いことは、1/14のエントリで書いた。とはいえ、バンダイビジュアル側の対応が「長いことオタク商売をしているはずなのに、素人以下の対応が続いている」ことにはとても驚いている。
1. 追加募集の告知がヘタ
2chを中心に炎上している最大の理由。自分もHPのテキストを見たときは「言いたいことは分かるけど…もっと言い方あるだろうに」と思った。少なくとも、今回の企画の経緯を知っている(理解している)人が書いた告知文とは思えない。今回の企画の主体はあくまでファン&BDAである以上はちゃんとその意志や意向をふまえたマーケティングを組むことが大事。しかし、本企画が予想以上の成功を収めてしまったことで、これまで無関心だった営業サイドが「機会損失を防げ」とばかりに一気に前面に出て主導権を文字通り"奪った"のだろう。それ自体は営利企業として当然なんだけど、数ヶ月に渡る前置きを忘却した販売戦略を打ってしまったのだろうと想定する。

  • 期間限定(それを煽る告知文の表記)を強く出した理由は、それだけ成立が危うい企画であったからこその制限だったはず。
  • ここまで特典が増加した理由は、企画入金者が想定よりも多かった=予算の目処が付いたから。「この特典があれば最初から買っていた」という選択肢はそもそも存在していなかった。

この2点をちゃんと理解していれば、追加募集時の告知方法をどうするのかはさほど難しいことではないはず。要するに「本当のターゲットユーザーが見えていなかった」または「金を払った客は、すでに客に非ず」と判断したようにしか見えず、BV側の「誠意」についてアニメファンが大いに疑問を持つことになってしまった。*1
2. 追加フォローがヘタ
この炎上に驚いたのか、昨日に当初期間中に入金した人へ「謝恩キャンペーン」なる一通のメールが届いている。

【キャンペーン対象者】
2009年12月21日までに「true tears Blu-ray BOX」をご注文いただき2010年1月8日までに商品代金をお支払いただいたお客様。
【キャンペーン内容】
EFCポイントシステムにおいて「true tears Blu-ray BOX」の早期登録ボーナスポイントを通常の2倍にアップいたします(238p⇒476p)。

これを受け取った人の大半は溜息をつくと同時に思っただろう。「…オタク商売わかってねえなあ…」と。ぶっちゃけ、正規の期間中に入金した人に「書き下ろしイラスト」や「専用特典」等のttがらみのグッズをつけて、見える形での差別化をすれば良かったのだ。なんせ、「BVだから=ポイントが付くから」企画に応募した人なんて一人もいないのに、過去にBV系DVD/BDを購入した人しか知らないような「直売専用ボーナスポイント」を配布されても(しかも雀の涙規模)嬉しくも何ともないことは言うまでもない。さらにうがって言えば、自社の直売ボーナスポイント=BV側は痛くも痒くもないシステムであり、「不満を持っているお客様に対し、二束三文のポイントをエサにして営業活動を行っている」ことになる。なぜこんな結論を出したのか…これも「過去の経緯を知らない営業部門が勝手に活動したから」と考えると腑に落ちやすい。
まあ、最大の問題は前のエントリにも書いたように、「BD化第2弾企画以降への影響が非常に大きい」ことだけど。ファンありきの企画で、後付け&ごね得が通用すると判っているなら、純粋なファン以外は積極的に投票する人はいない。全ての要素が出揃ってから、一斉にごねればよいのだから。

*1:単純に「追加募集の要望が多いため、慎重に対応を検討し、特別にあと一回募集します」とか「生産ロット数の都合で一定BOX数余るため、抽選を前提に追加募集します」等にすれば、まだ不満は少ないかったはず。