Fellows! 創刊号

Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)

Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)

過去に存在していて非常に評価されている漫画雑誌に「アッパーズ」がある。企画当初から「B級ネタマンガだけで雑誌作ったぜ!」「おっぱいさえ描いてくれればどんな作品でもOKだ!」という極めて痛快かつ明確な方針を打ち出した結果、作家の個性が爆発しまくった。そして最初はあまり話題にならなかったけど中盤辺りから右肩上がりに評判になり、休刊した今でもよく話題に上る雑誌だ*1。自分が創刊から廃刊まで購入した数少ない(隔)週刊誌だった。
時間が流れて、企画雑誌としてコミックビームFellows Vol.1/2がリリースされた。最初は森薫だけが目当てだったけど、実際に各作品を読んでみると雑誌の独立気風あふれるコンセプトがアッパーズを彷彿としていて、非常に期待を持てた雑誌だった(ずっとお上品だけどね)。そして、期待違わずに誌面内容が非常に充実していたし、時流は追わずあくまで作家個人の作風と意志を尊重して提供される作品群も非常にすばらしい雑誌だった(もともと編集サイドで独自企画したものらしいけど)。
そして今回独立創刊。(隔)月刊雑誌の割には非常に丁寧な雑誌装丁&デザインになっていて、編集部門の気合いを感じる(この辺りは成年向け雑誌「LO」のコンセプトに通じるかも)。少なくとも古本屋には出したくないな、というデザイン。そして月刊誌にもかかわらず「オビ」が付いているのが凄い。描いている作家さんも渋いところを選んでいるし、新人さんも画力より物語で魅せる傾向が強そうで非常に期待が持てる。編集部には、あせらず大切に育てて欲しいと思う。

*1:最後は「本体(ヤンマガ系)を食う程の勢い」になってしまったため、発展的解散と称して廃刊させられてしまったけど。そしてなんとか生き残って雑誌異動した作品の多くは、当然のごとく雑誌と作風が合わずに勢いが死んでいった